風が強く吹いている/三浦しをん
三浦しをんの「風が強く吹いている」を読んだ。
2007年本屋大賞で3位となった話題作。
主人公は、寛政大学4年生の清瀬灰二(ハイジ)。
偶然、入学したばかりの蔵原走(かける)と出会い、
同じ青竹荘に住むことになった。
このボロアパートの住人は、走を含め、寛政大の学生ばかり計10人、
ハイジはこの10人で箱根駅伝を目指すと宣言した。
素人集団をどうやって鍛え上げるのか、そして結果は・・・
まあ冷静に考えたらあり得ない話。
陸上関係者から見れば、そんな甘くないよ、っと
一蹴されかねない。
ところが読むにつれだんだん熱くなり、
物語に引き込まれていった。
最後は一緒に箱根を走っている、
あるいは並走しているかのように
大手町のゴールにたどり着いた。
箱根駅伝に出るぞと宣言してから、
猛烈な練習を始め、予選にのぞみ、本番へ、
2日間にわたる本番の経緯、レース中の10人それぞれのの思い、
それらをまともに書いたのでは、
佐藤多佳子「一瞬の風になれ」ではないが
3分冊くらいのボリュームになってもおかしくない。
厚いとはいえ1冊にまとめた著者の筆力、
三浦しをん、すごいね。
山口晃のイラストによる
全員が登場する表紙、1ページ目のアパートの立体裁断図など
ブックデザインも秀逸。
力強くて優しくて勇気を与えてくれる、極上のエンターテイメント、
おすすめです。
というわけで満点、★★★★★
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Comments
お久しぶりです。
「一瞬の風になれ」も「夜は短し、歩けよ乙女」も買ったけど、この作品は買っていませんでした。
どうしても三浦おしんと読み間違えそうで、ただそれだけの理由で、この作者の作品は手付かず状態。
★5つなら読む価値ありですね。
Posted by: kubori | May 13, 2007 09:28 PM
kuboriさん
こちらこそごぶさたです。
三浦おしん(暴)、
よ〜くわかりますよ、私も最初はそう思ってましたから。
「風が強く吹いている」は増刷15刷が決定したようです。
まだ売れ続けているのですね。
ちなみに明日(5月14日)の午後5時から
立川市のオリオン書房ノルテ店で
三浦さんのトーク&サイン会があります。
kuboriさんちから立川までは
近いイメージがあるのですが、
実際にはどうなんでしょうね。
すみません、日本地図、全然頭に入ってません・・・
Posted by: るうかす | May 13, 2007 10:12 PM
>kuboriさんちから立川までは
近いイメージがあるのですが、
私は結構出没します。たぶん、県都より頻繁に。
でも、間に山があるからか、地元の人たちはあまり出かけません。
山って言っても、電車に乗って本を読んでいれば、1時間ちょっとでつきます。
今日、ようやく校了。
明日からたまっている仕事をやっつけねば!
土曜日あたりは出没するかも……?
Posted by: kubori | May 15, 2007 11:55 PM