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May 09, 2007

クィーン(スティーブン・フリアーズ監督)

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映画「クィーン」を見てきた。

97年8月、ダイアナ元妃がパリで事故死した。
チャールズ皇太子とは離婚していたとはいえ、
王室とは無関係とばかりに公式コメントもしないエリザベス女王ヘレン・ミレン)。
一方、就任したばかりのブレア首相(マイケル・シーン)は、
すぐさま追悼のコメントを出して、国民の支持を得る。
ダイアナの死を悼む声は次第に高まるにつれ、
王室への批判が集中し、
今後も威厳を保ち続けるべきか、
あるいは自らの感情に反し国民の前に登場すべきか、
苦悩する女王・・・

悲惨な事故からまだ10年もたっていないのに、
このようなリアリティのある映画が撮られたことに対し
驚くとともに違和感を感じた。

たしかにおもしろい脚本だ。
皇太后の毒舌ぶりや、本人よりもずっと人間臭いブレア首相、
徹底的にヨメを嫌うおかあさんのような女王、
実名の登場人物たちが個性的で大いに楽しませてくれた。
しかし、ダイアナ元妃の素行や、
同時に亡くなった恋人についてはまったく触れられておらず、
そんなきれいごとじゃないよなと、少々興ざめ。

と、悪いことばかり書いたが、
オスカーを獲得したヘレン・ミレンの、
緊張感のある圧倒的な演技、
実写フィルムを巧みに取り込んだ映像美、
テンポのよい脚本など、映画としては一級品であることを
申し添えておく。

というわけで、★★★★

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