家日和/奥田英朗
奥田英朗は、新刊が出るたび迷わず購入する作家の一人。
帯によると今回のテーマは、
「ビター&スウィートな〈在宅〉小説」、
なんだそれ、というわけで「家日和」を読んだ。
「サニーデイ」「ここが青山」「家においでよ」
「グレープフルーツ・モンスター」「夫とカーテン」「妻と玄米御飯」の
6編からなる短編小説集。
家庭の中で起きた何でもない出来事を
軽妙なタッチで描いている。
秀作ぞろいだが、特に「家においでよ」がいい。
妻が家を出て行き一人暮らしが始まった。
落ち込むのでなく、がらんとしていた部屋を
自分の好みに変えていこうとする。
高額なオーディオも購入し、好きな本やCDに囲まれ、
うらやましがる男友達も巻き込んで、まさに男の城の完成。
男ならだれでも夢なんだよな、こういうことって。
ネットオークション、ロハスなどを
最新のネタを巧みに取り込みながら、
日常生活をユーモアたっぷりに描いた傑作短編集。
うまいぜ、奥田くん。
というわけで、評価は限りなく満点に近い★★★★☆
0,5点マイナスは、
「グレープフルーツ・モンスター」に
少々違和感を感じたから。
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