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May 12, 2007

バベル(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)

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映画「バベル」を見てきた。
3つの国で起こった出来事を相互に描いていく群像劇。

夫婦仲の危機を迎えたアメリカ人夫婦
ブラッド・ピットケイト・ブランシェット)が、
子どもをベビージッターに預けてモロッコへ旅行に。
現地の子どもたちが撃った銃の弾が、
偶然、妻に当たってしまう。
手当をしようと右往左往する夫、
辺ぴな町で医者を呼ぶと、なんと獣医師だった・・・

一方、アメリカで、夫婦の子どもたちを預かっているベビーシッター。
予定通り帰ってこない夫婦に業を煮やし、
息子の結婚式に参列するため、
子どもを連れて母国メキシコへ向かう・・・

日本では聾唖の女子高生(菊地凛子)が主人公。
理解しがたい衝動的な行動を繰り返す。
彼女の母は短銃自殺をし、今は父と二人暮らし。
しかし、父(役所広司)には彼女の行動を止められない・・・

いろいろな見方ができる映画で、
周りに聞いてみても評価はさまざま。
疑問に感じる点も多く、どうもすっきりしない。
タイトル「バベル」とは、
アメリカ人夫婦が子どもを亡くしたのはなぜ、
女子高生の母はどうして自殺したのか、
刑事に渡した手紙の内容は・・・

3つのストーリーの中でも東京は特別に扱われていると感じる。
親子が住む高層マンションはバベルの塔の象徴なのだろう。
ラスト、ベランダで裸になった娘を驚きもせず抱きしめる父、
うがった見方をすれば、この二人の関係はもしかすると・・・
母が自殺したのも父娘の関係を疑った、
いや自殺ではなかったのかも、
刑事に渡した手紙には真実が書かれていたのではないか。
いろいろ想像(妄想)が膨らむのも悪くはない。

ただ、エログロは何とかならないのか。
ニワトリの場面とか、アメリカ人妻のキズを縫う場面って、
本当に必要なの?

というわけで、評価は★★★

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