一瞬の風になれ(全3巻)/佐藤多佳子
久しぶりのブックレビュー。
ちまたで話題になっている佐藤多佳子の青春小説
「一瞬の風になれ」を読んだ。
全3巻の長編だが、ろんぱり旅行の前後に一気読みした。
舞台は、神奈川県の春野台高校(通称「春高」)陸上部。
この部に入部した主人公の新二と、親友の連、
そして彼を取り巻く部員たちの、陸上に賭けた青春物語。
1年の春に入部してから、
400mリレーでインターハイ全国大会出場を果たすまでの
2年余りを描いている。
主役2人の魅力もさることながら、脇役の設定が絶妙。
Jリーグ入りしたサッカーの天才の兄、
いつも良き指導者として、先輩として新二たちを見守る三輪先生、
チームのムードメーカーである同級生の根岸、
良きライバル仙田、高梨・・・
それぞれの個性を見事に描き出している。
ネタばれになってしまうが、
インターハイの関東大会で全国大会出場を決めたところで
物語が終ってしまうところがうまい、
あとは読者の想像に任せている。
ワタシなら、全国大会で惜敗、
悔しさを胸に大学でも陸上を続け、とうとう学生の頂点に・・・
平凡かもしれないけど、こんなサクセスストーリーを書くだろうな。
というわけで、5段階評価は★★★★☆
The comments to this entry are closed.
Comments