パフューム ある人殺しの物語(トム・ティクヴァ監督)
話題の映画「パフューム」を見てきた。
冒頭からグロテスクな場面が続き、ちょっと引いてしまった。
が、魚の内臓や野菜くずなどの悪臭から
花畑や果実、あるいは少女の体臭までも
映像と音楽で表現しようとする試みは失敗ではなかった。
天性の嗅覚を持つベン・ウィンショー演じるグルヌイユは、
街ですれ違ったプラム売りの少女の体臭に強く引かれ、
香りを調合する香水職人に弟子入りする。
理想の香りを求め城塞の街で殺人鬼となり、
美しい少女の体臭を収集し始める。
やがて捕らえられ、死刑台に立たされた場面で奇跡が起きる・・・
殺して全裸にした女性に脂を塗って匂いの成分を集める場面や、
広場で群衆が狂喜乱舞する場面は、
人によって取り方が大きく違ってくるだろう。
単にグロテスク、おぞましいと感じる人も少なくないと思う。
しかしワタシは映画史に残る官能場面だと確信する。
一番好きな場面は、
ダスティン・ホフマン扮する香水調合職人が、
グルヌイユから聞いた香水の調合法を明記したノートを
幸せそうに抱きながら寝付いたとたん・・・
シリアスな物語の中に
何度かこういうブラックなユーモアな場面が登場する。
ベストセラーとなった原作ではどう表現しているんだろう、
興味をそそられる。
読んでみたくなった。
出演者では、美しさが目立ったローラ役のレイチェル・ハード=ウッド、
映画はまだ2作目で、撮影時は15歳だという。
これからどんな女優に成長するのかが楽しみ。
というわけで、5段階評価は★★★★
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