敬愛なるベートーヴェン(アグニエシュカ・ホランド監督)
一番好きな作曲家はと聞かれたら、
ベートーヴェンと答えるだろう。
9曲のシンフォニー、32曲のピアノソナタ、
10曲のヴァイオリンソナタ、5曲のチェロソナタ、
そして16曲のカルテット、
何度聴いても飽きるどころか、
その奥底に引きずり込まれてしまう魅力を備えた名曲の数々。
楽聖を描いた映画「敬愛なるベートーヴェン」が上映されるというので
期待して、公開2日目に見た。
だれもが知っている「第九」の完成には
ひとりの若い女性の手助けがあったという設定。
その女性アンナは、ベートーヴェンが作曲した楽譜を
清書する写譜師の役で登場する。
ベートーヴェンを期待して見ると
物足りないかもしれない。
が、アンナが主役の映画として見れば、
納得がいく部分も多い。
それにアンナ役のダイアン・クルーガーが
うっとりするくらい美しい。
「第九」の初演シーン。
アンナがオケの中に隠れ、
指揮する難聴のベートーべンをサポートする。
第九の4楽章後半からコーダ、
二人の視線と身振り手振りが絡み合う部分は、
音楽の高揚感と相まって、
この映画の一番の見どころ、聴きどころだ。
というわけで、評価は★★★★
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