太陽(アレクサンドル・ソクーロフ監督)
映画「太陽」を見てきた。
ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督作品で、
終戦から「人間宣言」へ至るまでの
昭和天皇の苦悩と孤独を描いた異色作。
この作品を語るのはとても難しい。
フィクションであるはずなのに、
史実に忠実ではないかと思われる場面も出てくる。
イッセー尾形の演技は昭和天皇そのもので、
語り口などはそっくりだった。
印象的な場面をふたつ。
まずはハーシーズのチョコレートが送られてくるところ。
イッセー尾形のコミカルな演技には、にやりとさせられた。
しかしこんな場面、日本人監督じゃ、絶対に撮れないだろうな。
次に、カメラマンからチャーリーと呼ばれ
天皇がチャップリンの物まねをする場面。
笑っていい場面だが、
もし神として奉っていた当時の日本人が見たらどう思うだろう
なんて冷静に考えると、怖くなってくる。
観終わって、良し悪しはともかく
ずしりと重いものを感じた映画だった。
たとえテレビであろうと、もう一度観たいとは思わない。
疑問がひとつ、
監督はどうして皇后をあのように描いたんだろう。
女優は桃井かおり、
皇后を演じたというより、まんま桃井かおりだもん。
あの違和感も監督の演出なんだろうか。
5段階評価は★★★★
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