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November 29, 2006

風に舞いあがるビニールシート/森絵都

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森絵都の「風に舞いあがるビニールシート」を読んだ。
すばらしい本に出会ったときの興奮は、
すぐにだれかに伝えられずにはいられない。
いわずと知れた第135回直木賞受賞作。
前作「いつかパラソルの下で」が期待はずれだったので
読むのがこんなに遅れてしまった、不覚だった。

6作品を収録した短編集。
「器を探して」は人気パティシエヒロミの秘書を務める弥生が主人公。
大好きなケーキの仕事と恋人の間に挟まれ、
どちらを選ぶべきか苦悩する。
「犬の散歩」は、捨て犬の里親探しボランティアをする恵利子が、
その資金源のためにスナックでアルバイトまでする。
「守護神」は、大学の夜間部に通う学生たちの物語。
フリーター裕介と、レポートの代筆をするニシナミユキの
二人の関係を描く。
「鐘の音」は、仏像修理を生業とする人たちの間に隠された、
〝過去の秘密〟の物語。
「ジェネレーションX」は、顧客のクレームへの謝罪に向かう車中での
20代の石津と、40を目前にした健一の物語。
最後にドラマが待ち受けている。
そして表題作の「風に舞いあがるビニールシート」。
国連難民高等弁務官事務所で働くエドと里佳夫婦。
難民救済の現場で使命感に駆られるエド、
一方、家族のぬくもりを求めようとする里佳。
起こるべくして起きた悲劇とその後の展開・・・

6作とも読みごたえ十分。
後の作品になるにつれ感動は増し表題作で頂点に達した。
「ジェネレーションX」と「風に舞いあがるビニールシート」は
何度も読み返したくなる傑作。

5段階評価は★★★★★

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November 27, 2006

加川良 Live in きたがた

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加川良のライブを見てきた。
中学、高校時代は大ファンで、生を何度も見ている。
以降はずっと離れてはいたが、
昔のLPがCD化されたときに、
やぁ。」と「アウト・オブ・マインド」を買い直した。
前者は名ギタリスト、中川イサトと2人のライブで、
高校時代は全曲ギター1本で歌うことが出来たくらい好きなアルバム。

さて30年ぶりに聴いたライブは、
何度も目頭があつくなる感動の2時間だった。

まずは有山じゅんじがソロで9曲歌う。
シンガー上田正樹との共演でも知られるギタリストで、
とにかく、イカしたギターを弾くおっさん。
次はどんな曲が出てくるのか
わくわくしながら聴いていた。

休憩のあと、加川良が、
スライドギターの名手、すぎの暢を引き連れて登場。
知らない曲も多かったが、メッセージ色の強い曲は相変わらずで、
語尾を伸ばす独特の歌い方も以前と同じ。
40年間変わらないというのは、すごいことだと思う。

「ラブソング」、名曲ぞろいの「アウト・オブ・マインド」の中でも
印象に残る曲だ。
この曲が聴けるなんて・・・感激。
極めつけはアンコール2曲目の「流行歌」。
高校1年のときに一番聴いた曲だ。
目を閉じると、高校時代のことが脳裏に浮かんだ。
30年前に戻りたいと思った。

終演後、楽屋口に回り、
昔買った「やぁ。」の楽譜にサインをもらった。
ぼろぼろの表紙を開けると懐かしい五線譜。
もう一度ギターを持とうかな。

●加川良withすぎの暢、有山じゅんじ
 '06.11.25 岐阜県北方町生涯学習センターきらりホール
 ※曲名は自信なし

有山じゅんじ
1. Ain't Nobody's Business
2. ありやまな夜だ
3. 上を向いて歩こう
4. (不明)
5. よいしょ、よっこらしょ
6. ぐちぐちぐち
7. C'mon 買いもん
8. 梅田からナンバまで
9. White Christmas

加川良 (withすぎの暢 1〜3、7〜13、with有山じゅんじ12)
1. 贈りもの
2. 高知
3. ラブソング
4. 夜明け
5. 生活の柄
6. 百円札
7. 女の証し
8. コスモス
9. 幸せそうな人たち
10. 教訓Ⅰ
11. ONE
(アンコール)
12. 胸にあふれるこの思い
13. 流行歌

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November 25, 2006

サミュエル・ウォン指揮名古屋フィル定期演奏会

名古屋フィルの定期演奏会を聴いてきた。
今シーズンから、定期の日程が金、土曜日となったので
以前よりは聴きやすくなったのだが
やはり思うように時間が取れない。
今回は2年前「アジア21世紀オーケストラ」で、
鮮烈な印象を与えてくれた
サミュエル・ウォンが指揮するとあって期待は大。

1曲目はアレクシーナ・ルイの「鳴り響く大地」。
6分ほどの小曲だが、金管が気持ち良い。
日本初演とのこと。

チャイコフスキーのコンチェルトは、
最初、島田真千子が緊張気味だったのだろうか、
不安定な部分があった。
しかし、ウォンがうまくコントロールし
何とか持ちこたえた。
2楽章からは、だんだん安定し、
終楽章は島田もふっきれたようで、
こちらも手に汗握る熱演となった。

休憩後のドヴォルザーク、生で聴くのは初めて。
この日の名古屋フィルは、
スケールの大きな演奏を聴かせてくれた。
今までCDでしか聴いたことがなく、
8番、9番に隠れた地味な曲と思っていたのだが、
印象が大きく変わった。
マエストロ、ウォンはクールな顔つきなのに
その演奏からは、前回のアジア21世紀オーケストラよりも
ずっと熱いものを感じた。

●名古屋フィルハーモニー交響楽団 第330回定期演奏会
 '06.11.23 愛知県芸術劇場コンサートホール
 指揮:サミュエル・ウォン

アレクシーナ・ルイ/鳴り響く大地〈日本初演〉
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調 島田真千子(vn)
(アンコール)
J.S.バッハ/無伴奏パルティータ3番からガボット&メヌエット
(休憩)
ドヴォルザーク/交響曲第7番ニ短調 作品70, B.141

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November 24, 2006

陽気なギャングの日常と襲撃/伊坂幸太郎

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伊坂幸太郎の「陽気なギャングの日常と襲撃」を読んだ。
シリーズの第2弾で、
1作目の「陽気なギャングが地球を回す」で活躍した
成瀬、響野、雪子、久遠という愉快な4人のギャングが再登場する。

相変わらず構成が巧み。
第1章は4人をそれぞれに配置した短編集で、
読むごとに話がリンクしていくのが爽快。
第2章からは、第1章をふまえて話がどんどん展開していく。
そして読み終えると全体がひとつの物語になっているという
いわばオムニバス形式。

登場人物の軽妙洒脱な会話と、物語の展開の面白さが
伊坂ワールドと呼ぶならば、
この作品は後者に少々不満が残る。
まあそれでも、娯楽小説と割り切ってしまえば
それなりに楽しい。

というわけで、満点という訳にはいかず★★★★

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November 22, 2006

仙台への旅 その2

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翌日は、メディアテーク前の定禅寺通りで開催されていた
「杜の都のアート展」へ。
絵画や版画、アクセサリーなど170余りのブースが、
この通りの中央緑道に出店、
さらには、ところどころで音楽やダンスのパフォーマンスも催されるなど、
ジャンルを超えたアートの祭典となっていた。
(写真1〜4枚目)

この定禅寺の通りは、しゃれたお店も軒を連ねている。
花屋、洋菓子店、レストランなど、
趣のある店、気になる店がたくさんあった。
(写真5〜7枚目)

午後から大河原町の「えずこホール」へ。
旧知のMさんと1時間ほど親交を深めた後、帰路へ。

実質、1日程度の滞在であったが、
実のある旅となった。

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November 21, 2006

仙台への旅 その1

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11月2、3日と仙台に行ってきた。
20年ぶりだろうか、
前回は塩竈に用があったときに、短時間降り立った。
街中をじっくり歩くのは初めてのこと。

3時過ぎに仙台駅着、
すぐに、お目当ての「せんだいメディアテーク」へ。
伊東豊雄の名を一躍有名にした建築だ。
ギャラリーやスタジオ、図書館などからなる公共施設で
地元では美術や映像文化の活動拠点として利用されている。
パンフレットを見ると、展覧会やフィルムの上映会、
ワークショップなどが頻繁に行われているようだ。

この建築の特徴は、地下から屋上まで突き抜ける「チューブ」。
全部で13本あるチューブは、構造的には柱であるとともに、
エレベーターや階段、電気、水道、空調などの配管を内包している。
このチューブにより、各フロアには柱がない。

パンフレット類はどれもデザインが秀逸。
子供向けのパンフレットも抜かりない。
こういうところに出入りできる小中学生、高校生を
心底、うらやましいと思う。

それから館内のイス。
デザインが凝っていて、
座ってみたいなと思わせるものばかり。
(写真1〜6枚目)

夜は、郊外にある旧伊達邸の「鍾景閣」で箪笥(たんす)料理。
小ぶりの趣のある箪笥の中に、会席料理が収められていて、
舌で味わうだけでなく、目でも楽しむことができた。
(写真7枚目)

※続く

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November 20, 2006

語り舞「末摘花」

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出雲草こと、松本亜梨の「語り舞」を見てきた。
語り舞は、語りと舞踊をミックスした一人舞台。
松本は地元テレビ局のアナウンサーとして勤めていたが、
この芸を続けるために局を辞め、
フリーで仕事をしながら、定期的に公演している。

アナとして身につけている得意の「語り」に、
地唄舞」の要素を取り入れたこの語り舞は
とても洗練された一種のパフォーマンス。
能や文楽も想像される様式美は、
海外でも評価されるのではないだろうか。

そしていつも題材は源氏物語
原文のまま語るのでなく、
演出家の岡本一彦が台本を書いている。
源氏物語に登場する女人たちを、
生き生きと描いていており、
読んだことのない人でも分かりやすい内容となっている。
この日の出し物は「末摘花」。
光源氏が愛した唯一の醜女を鮮やかに描いていた。

岐阜市内の三甲美術館の庭園を利用しての公演。
別棟の茶室がステージで、
中庭を隔てた本館の縁側や和室が観客席となっていた。
色づいた木々が舞を見事に演出していた。

●出雲草 語り舞「末摘花」
 '06.11.18 三甲美術館
 台本・演出 岡本一彦
 振付・指導 出雲 蓉
 振付    出雲 草

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November 18, 2006

20世紀少年/浦沢直樹

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今さらながら、浦沢直樹の「20世紀少年」に、はまってしまった。
これはすごい。
現在、12巻まで読了。
やっと、“ともだち”の正体が分かった。
でも、謎は深まるばかりだ。
これからどう展開するのか興味は尽きない。

随所に、60、70年代のロックミュージシャンや
そのアルバムがキーワードとして登場するのも魅力。
では続きを読むとするか。

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November 17, 2006

名古屋クリエイターズマーケット

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もう先週末(11月12日)のことになるが、
名古屋クリエイターズマーケットvol.15を見てきた。
前から気になっていた催しなのだが、
なかなか日程が合わず、会場を訪れたのは今回が初めてのこと。
「つくる人の祭典」といわれるとおり、
ファッション、インテリア、クラフト、デザインなど
あらゆるジャンルのオリジナルワークを、一堂に集めたマーケット。
プロもアマチュアも含め、約500の出店があり、
じっくり見てると1日掛かってしまう。
出店している人たちはもちろんのこと、
見に来ている人たちの熱気もムンムンして、
とってもおもしろかった。

一番気に入ったのは、
小さなブースだけど、画家志望の森由香里さんの絵。
展示のみで、ポストカードさえ販売していなかったのが
とても残念だった。

次に、羽山めぐみさんのイラスト&絵本。
子どもや動物たちのつぶらな目に見入ってしまった。
(写真1番上)

コイデマリコ*ハンダリエさんのイラスト。
なんともひょうきんな動物のキャラがいい。
(写真2枚目)

あと、名前は忘れてしまったが、
ワタシの似顔絵を100円で描いてくれた男性2人組の
動物たちの絵。
「うさぎ」「一匹」「くまのようなもの」
(写真3・4・5枚目)
色遣いが抜群で才能を感じた。
ただし似顔絵は似てないよ、全然。
(写真6枚目)

さらには、会場の片隅でライブを聴かせてくれた「満福旅団」。
ストレートな演奏に感動。
これはいつか化けるかも。

というわけで、短い時間だったが十分堪能してきた。
次回は来年6月。
じっくり時間を掛けて回ろうと思う。

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November 15, 2006

太陽(アレクサンドル・ソクーロフ監督)

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映画「太陽」を見てきた。
ロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督作品で、
終戦から「人間宣言」へ至るまでの
昭和天皇の苦悩と孤独を描いた異色作。

この作品を語るのはとても難しい。
フィクションであるはずなのに、
史実に忠実ではないかと思われる場面も出てくる。
イッセー尾形の演技は昭和天皇そのもので、
語り口などはそっくりだった。

印象的な場面をふたつ。
まずはハーシーズのチョコレートが送られてくるところ。
イッセー尾形のコミカルな演技には、にやりとさせられた。
しかしこんな場面、日本人監督じゃ、絶対に撮れないだろうな。

次に、カメラマンからチャーリーと呼ばれ
天皇がチャップリンの物まねをする場面。
笑っていい場面だが、
もし神として奉っていた当時の日本人が見たらどう思うだろう
なんて冷静に考えると、怖くなってくる。

観終わって、良し悪しはともかく
ずしりと重いものを感じた映画だった。
たとえテレビであろうと、もう一度観たいとは思わない。

疑問がひとつ、
監督はどうして皇后をあのように描いたんだろう。
女優は桃井かおり
皇后を演じたというより、まんま桃井かおりだもん。
あの違和感も監督の演出なんだろうか。

5段階評価は★★★★

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November 14, 2006

ファビオ・ルイジ指揮ウィーン交響楽団

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ルイジ指揮ウィーン交響楽団の名古屋公演を聴いてきた。
このオケを聴くのは初めて。
同時期に来日しているウィーンフィルとは、随分音の質が違う。
ウィーンフィルの陰に隠れて地味なイメージを持っていたが、
実際に聴いた音は、ひとことで言うと、明るい。
指揮者の指示もあるのだろうが、
ffで各楽器が思いっきり鳴らしていたのは快感だった。

1曲目は、モーツァルトの歌劇「後宮からの逃走」序曲。
当日に「フィガロの結婚」から変更になった。 
小気味よい演奏で、後への期待が高まる。

2曲目は、上原彩子がピアノを弾いたモーツァルトのピアノコンチェルト。
22番は、21番や23番に比べると地味で、
演奏される機会も多くはないが、
じっくり聴くとなかなかの名曲。

技巧と大胆さがトレードマークの彩ちゃんも、
モーツァルトとなれば、少々抑えめ。
しかし第3楽章は、技巧を生かして生き生きと弾いていた。
オーケストラとのやりとりも見事。
ちなみに今夜の彩ちゃん、
以前に見たことあるような真っ赤なドレスだった。

休憩後はマーラー第1番、
ルイジは工夫を凝らした、ユニークな演奏を聴かせてくれた。
緩急のつけ方が実に大胆、
さらに、その指揮ぶりは体中を使った体育会系で、
見た目も楽しませてもらった。

アンコールは、J.シュトラウスの「南国のバラ」。
演奏時間の長い大曲で、観客を沸かせた。
ワルツの部分のタメというのか、独特の3拍子は
やはりウィーンのオケなんだなと納得。

●ファビオ・ルイジ指揮ウィーン交響楽団
 '06.11.10 愛知県芸術劇場コンサートホール

モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調(ピアノ:上原彩子)
マーラー:交響曲第1番「巨人」
(アンコール)
J・シュトラウス:南国のバラ

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November 13, 2006

ミョンフンのベートーヴェン交響曲全集

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チョン・ミョンフン&東京フィルの交響曲全集がやっと発売になる。
このライブ録音は'02年から'04年に掛けて行われた。
一時期、ミョンフンの追っ掛けをしていたときがあって、
この全5公演のうち4公演に立ち合っている。

行けなかったのは'02年6月の3番「エロイカ」、4番で、
叔父が急逝したため。
あとの4回は東京まで足を運んだ。
どの回もわくわくする躍動感あふれる演奏で、
大満足で最終新幹線に乗って帰ってきたものだ。

このチクルスは、当時からCD化が望まれていた。
どうして発売がこんなに遅くなったのかは分からないが
日の目を見ることになって本当にうれしい。

ただ8,000円という価格設定が少々高めで、
まだ予約はしていない。
でも買ってしまうだろうな、たぶん。
増え続ける一方のため、
CDの購入には慎重になっている。
特にベートーヴェンの交響曲全集は
すでに10セット以上持っているので・・・

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November 12, 2006

ケッヘル(上・下)/中山可穂

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中山可穂の「ケッヘル」(上・下)を読んだ。
最初に書いてしまおう、5つ星★★★★★の満点評価。
今年一番の収穫となった。

一般の評価は必ずしも高くはないと思う。
ミステリーとしては荒さが目立つし、
真犯人もどうしてそうなるの、と首を傾げざるを得ない。
でもワタシは、読んでいる間ずっと至福の時を味わった。

モーツァルトなしでは生きていけない遠松鍵人と、
同性との愛から逃れて放浪していた木村伽椰が、
ドーバー海峡に面した港町のカフェテラスで出会う。
(始まりからして絶品)
この二人をめぐって、過去と現在が相互に語られつつ
物語は進んでいく。
しだいに明らかになる、壮絶で破壊的な愛。
殺人事件が起きてからはミステリータッチとなり
最後に意外な人物が犯人とわかる。

女性同士の性愛の描写が妖艶でかつ露骨、
この作家ならではの表現方法といえる。
誤解を承知で書くとすれば、
この描写に酔いしれてしまった。

そして何よりもこの作品には、
モーツァルトの名曲が散りばめられている。
曲名が出るたびに、CDを取り出して聴きたくなってしまった。

ちなみにケッヘルとは、
モーツァルトの作品を時系列的に配列した番号のことで、
K.000というように表記される。
K.1からK.626まであり、
K.626はモーツァルトの死によって未完に終わったレクイエムである。

この本、偶然、図書館で見つけて借りた本、
すぐに購入して再読するとともに、
手元に置いておきたいと思う。

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JBLパラゴン

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「パラゴン」でピンと来る人は多くないと思う。
JBLの高級スピーカーで、
随分前に製造中止、今は幻の名器とも言われている。
これが今、ヤフオクに出されている。

パラゴンは、音もさることながら
その姿は実に美しく、かつ迫力がある。
高校時代からオーディオファンで、
学生時代、今はなき東急文化会館内のオーディオショップ「DAC渋谷」で
アルバイトをしていたワタシは、
「いつかはパラゴンを」と夢見ていた。

で、ヤフオク、
開始価格2,480,000円で、まだ入札はない。
うーん、欲しいのはやまやま、
だがこの金額は家庭の事情で無理。
それにこのスピーカーを鳴らすには
最低あと2、300万円出して、
プリ&メインアンプとプレーヤーを購入しなければならない。
それ以前にオーディオルームを準備しないと・・・
と考えると手が出ない。
オークション終了まであと2時間、
どんな人が落札するのか、あるいは入札はないのか、興味津々。

ところで、全国に残るパラゴンを訪ねる旅「パラゴンツアー」が、
昔からの夢だった。
どこにあるのかもよく分かっていない。
情報求む。

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November 10, 2006

月9は「のだめ」

月曜は9時までに帰って「のだめカンタービレ」。
これが最近の生活パターンになっている。

でよく聞かれるのが、
ドラマに使われている曲名。
Sオケが弾いたのは、クラシックファンならまず知っている
ベートーヴェンの交響曲第7番、いわゆる「ベト7」。
これがCDショップで売れてるらしい。
いい曲だから今さらという感じ。

ほかに印象的なのが、
プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」 第2組曲 より
「モンタギュー家とキャピュレット家」という長いタイトルの曲。
これはなかなかマニアック。

あとは有名な曲がずらりとそろっていて
今度はどんな曲が使われるんだろうと考えるだけでも楽しい。
本格的“クラシック”ドラマだね、これは。
ドラマがもっと早い時期に始まっていれば
「のだめ」や「べとなな」は今年の流行語になったかもしれない。

探したらやっぱりあった、2ちゃんの
「のだめで使われた曲を全部解説するスレ」
スレッドはすぐに1000を超えるので、あえてリンクはしない。
自分でさがしてね。

ただしこのスレをまとめたサイトも存在する。
こちら

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November 09, 2006

名もなき毒/宮部みゆき

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宮部みゆきの「名もなき毒」を読んだ。
彼女の長編を読むのはブレイブ・ストーリー以来だろうか。

散歩中の老人がコンビニで購入したウーロン茶を飲んで毒殺された。
首都圏で発生している無差別連続毒殺事件の4人目の犠牲者か。
財閥企業の社内報を編集する杉田三郎は
犠牲者の孫娘である女子高生と知り合うことから
この事件に巻き込まれる。
一方、杉田の職場では、アシスタントをしていたアルバイト女性を
ミスが多発するためにクビにしたことで、
彼女の執拗かつ病的なクレームが始まる。
職場や杉田に対する異常ともいえる嫌がらせは、次第に激しさが増し
ついには杉田の家庭までも巻き込むことになる。

主人公の杉田は、
女子高生の祖父を殺害した犯人を追う探偵役であり、
かつ、女クレーマーの生い立ちにある秘密をたどりながら
その悪意に襲われる犠牲者にもなるところがおもしろい。

しかし、お人好しで、何にでも首を突っ込む杉村三郎には、
ワタシはいらいらさせられっぱなし。
もちろんそれは著者の意図するところなのだろうが、
金に苦労はしてないだけあって嫌な奴ではある。
主人公が気に食わない人物であっても、
500ページ弱を一気に読ませてしまうのは、さすが宮部みゆき。

というわけで5段階評価は★★★★★

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November 06, 2006

いろいろなイベントを見てきた

この連休中は、さまざまな催し、イベントを見てきた。

金曜日
・せんだい定禅寺ストリート「杜の都のアート展」(仙台市)
・大河原町民文化祭(宮城県大河原町 えずこホール)
土曜日
・「HIBINO DNA AND プロジェクト」(岐阜市旧十六銀行徹明支店)
・やながせ倉庫(岐阜市)
・ストリートダンスエアー2006(岐阜県各務原市)
日曜日
・岐阜県高等学校総合文化祭・吹奏楽発表会

詳細は後日。

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November 05, 2006

ガール/奥田英朗

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奥田英朗の「ガール」を読んだ。
30代、独身、子なしの女性たちを取り上げた短編集。

30代半ばで管理職となり、年上の男性の部下を持ってしまった聖子。
シングルマザーとなり、3年ぶりに営業部に復帰した孝子。
つい、マンションを買おうと決めてしまったゆかり。
みんなバリバリのキャリアウーマンというより、
どことなくかわいいくて、愛嬌のある女性ばかり。
その胸の内を、著者は実にうまく描いている。

30女性の心の中って、
きっと、こうなんだろうなと納得することばかり。
おもしろくて、かつ、大変参考になった。

というわけで、5段階評価は★★★★★

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November 04, 2006

ちびっこ広告図案帳-ad for KIDS:1965‐1969

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出張から帰ってきたら、Amazonから届いていたのが
「ちびっこ広告図案帳」。
とうとう買ってしまったのだ、この本を。

2カ月ほど前、ビレッジヴァンガードで見つけた。
ふだんのワタシなら即買ってしまうところだが、
定価を見て驚いた。

5040円!

塔レコードでは平気で1万、2万を使ってしまうが、
この本に5千円は高いと感じた。
で、そのときは帰ったのだが
それから、どうももやもやする。

欲しい、欲しい・・・

Amazonのクーポンが1,500円分あったので
これを使って買うことにした。

内容は、1965年から1969年に
雑誌に載った少年少女向けの広告が集められている。

チョコボールの「おもちゃのかんづめ」や、
グリコの「せっかちくん」と「おとぼけくん」とか当てたくて
キャラメルやチョコレート、たくさん買ったよなあ。
今井科学の「サンダーバードのひみつきち」
これも欲しくて買ってもらった。
う〜たまらな〜い、感涙、感涙。

というわけで50代前半から40代後半のおじさん、おばさんには
涙なしでは見られない1冊。
家宝にもなるよな。

評価なんてするつもりないけど、
付けるならもちろん★★★★★

実は「1970‐1974」の続編も発売中。
これは7,800円。
買ってしまうのだろうな、いつかはきっと。

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November 02, 2006

研修最終日

研修最終日、
昨夜は頭痛がひどくて宴席を中座してしまった。
底なしの人が多くてとてもつきあっていられない。
今朝は5時半起き、
気持ちよく目覚めることができた。
早寝も悪くないな。

この研修所の個室は劣悪ではあるけれど、
さすがにネット環境は完備しているので
ノートパソコンを持ち込めば接続は可能。
どうしようか迷ったのだが、
たかが2泊3日、ずっと詰まったスケジュールのなかで
パソコンに向かう時間は少ないだろうという判断で
持ってこなかった。
これは正解。

談話室には自由に使えるパソコンが2台置いてあるし、
IT研修室も時間制限はあるものの
使えるようになっている。
というわけで昨日からブログを更新できているわけ。

研修所の名誉のために書いておくなら、
現在、宿泊用の別棟を建設中。
ここはバストイレ付きになるようだから、
来年秋以降は、もっと快適な環境で勉強できるらしい。

ではこれから朝食へ。

あ、これは窓から見た外の風景。

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November 01, 2006

研修中・・・

昨日から幕張で研修中。
2泊3日で、ずっと寮から出られない状態。

部屋は狭く、勉強机だけがドンと置かれている。
室内にバス・トイレもなくて
外風呂の時間も決められている、
不便極まりない。
でもあと1日の辛抱。
がんばろっと。


部屋はこんなんです。
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