初恋温泉/吉田修一
吉田修一の「初恋温泉」を読んだ。
熱海、青荷、祇園畑中、那須、阿蘇黒川の
実在する5つの温泉宿を舞台ににした連作短篇集。
登場する男女は、離婚寸前の夫婦、不倫のカップル、高校生同士とさまざま、
いかにもありそうな話ばかりで、
まるでノンフィクションを読んでいるような気分になった。
温泉好きの著者は、実際に宿泊して、
「この旅館ならどんなカップルが泊まりに来るだろう」と
想像を膨らませながら書いたという。
どの作品も結論が出ていない。
それを物足りないと感じる読者がいるかも。
じれったさの残るエンディングも悪くない。
5編のうちワタシのお気に入りは、
17歳の高校生カップルが黒川温泉に行く「純情温泉」は
ほろ苦さを感じさせる傑作だ。
というわけで、5段階評価は★★★★★
The comments to this entry are closed.
Comments