片想い/東野圭吾
東野圭吾の「片想い」を読んだ。
ジェンダーフリーと友情を描いた長編推理小説。
旅行に携行し、往復のバスの中で一気に読み終えた。
主人公の哲郎は大学時代アメフトのクォーターバック、
同じ部のマネージャー理沙子と結婚し、現在はスポーツライター。
かつてのアメフト部員は今もつながりがあり、
年に一度、同窓会で集まっている。
その帰り道に偶然、部のもう一人のマネージャー美月と再開した。
10年ぶりに会った美月から、ふたつのことを告白された。
ひとつは「性同一性障害」であること、
もうひとつは殺人を犯して追われていること。
突然の告白に驚いた哲郎と理沙子であったが、
美月のことを理解し、匿まうことになった。
この後、思わぬ展開をする。
さらには昔のチームメイトである中尾や
新聞記者の早田らもかかわってきて
人間模様が複雑に絡み合う。
人間が存在することの本質をテーマにした著者の手腕はお見事。
「性同一性障害という病気は存在しない」というせりふなど
非常に重く感じる言葉が幾度も登場する。
トランスジェンダーに無関心であったワタシは
この本からたくさんのものを得ることが出来た。
もちろんミステリーとしても一級品。
というわけで、5段階評価は★★★★★
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Comments
東野圭吾といえば、最近「宿命」を読みました。
るうかすさん、読んだことあります?
Posted by: もんきち@某市役所職員 | October 17, 2006 08:37 PM
もんきちさん
東野圭吾はずいぶん読みましたが
宿命はまだです。
初期の作品ですよね。
順に読んでいきたいと思っています。
Posted by: るうかす | October 20, 2006 12:23 AM