チョコレートコスモス/恩田陸
恩田陸の「チョコレートコスモス」を読んだ。
その昔、演劇少年だったワタシは、
冒頭から引き込まれ、一気読み。
最後の1行まで、ぞくぞく感は止まなかった。
学生の劇団に入団した芝居経験のまったくない佐々木飛鳥、
しかし持って生まれた天才的な演技力で注目を浴びる。
一方、幼いころから舞台に立っている有名女優の東響子、
若いながらも演技力はベテランの域。
伝説的なプロデューサーが芝居を手掛けるというので
オーディションが行われることになった。
大物が顔を揃えるなか、
飛鳥もオーディションに呼ばれ最終選考まで残る。
一方の響子は、オーディションに出たかったのに
声も掛けてもらえなかった・・・
著者の筆力は相当なもの。
まるで観客席から舞台を見ているかのような、
臨場感あふれる表現。
脱帽である。
題名が秀逸。
エンディングで、2人芝居に出演する役者が決まり、
「チョコレートコスモス」とは、
その芝居の台本であることが分かる。
脚本家はどんな本を書いたのだろうか、
そして伝説的なプロデューサーはどんな演出を見せてくれるのか。
期待を持たせたところでエンディングを迎える。
続編を待ちたい。
というわけで5段階評価は、★★★★★
演劇ファンは必読書。
ところでこの小説、
マンガ「ガラスの仮面」へのオマージュという。
ワタシはこのマンガを知らなかったが
予備知識があれば、さらに楽しめるのでは。
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Comments
ガラスの仮面ですか、昔はまったものです。
テレビの実写版はイマイチだったけど。
ところで、OS市のAさんが演劇界に転職したのは、ご存知ですよね。
9月末、芝居観に行ってきます。
といっても、彼女は裏方ですけど……。
Posted by: kubori | September 09, 2006 07:22 PM
kuboriさん
実写版もあるのですか、
少女マンガには疎いものですから、はい。
Aさん、だれのことだろう、
気になる・・・
Posted by: るうかす | September 11, 2006 12:29 AM