眠れぬ真珠/石田衣良
主人公の咲世子は45歳の版画家で、
画商の三宅とは長年愛人関係にある。
ふとしたきっかけで28歳の素樹と出会い恋に落ちる。
一方、三宅のもう1人の愛人が28歳のキュレーター亜由美、
三宅だけでなく咲世子のストーカーにもなり、
複雑な四角関係で物語は進む。
いかにもありそうな話で苦笑、
でも主人公の更年期障害や、オヤジ三宅の心理は
実に良く描かれている。
銀座のママ・マチエ、素樹のかつての恋人で女優のノア、
ノアの兄で素樹の親友、清太郎と、
脇役もそろっていて、まるで映画かドラマを見ているよう。
いや今後、映像化は間違いないと思う。
咲世子役はだれだろう、
イメージとしては、版画家・山本容子そのまんまなんだけど。
小説には、映画「シェルブールの雨傘」や「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、
さらには80年代音楽が、この作家らしく巧みに使われている。
映像化に際しては、そのまま使ってほしいものだ。
というわけで5段階評価は★★★
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