サイトウキネンフェス メンデルスゾーン:オラトリオ「エリア」
今年のサイトウ・キネン・フェステバル、
ワタシが見てきたプログラムは、
メンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」。
オラトリオは、聖書やキリスト教に関係することを題材にしており、
演奏会形式で上演されるのが一般的。
今回は舞台作品としてオペラ形式で上演された。
合唱の東京オペラシンガーズは
いつものことながら、音色も音量も素晴らしい。
粒ぞろいのソリストと比較しても
このオラトリオの主役はオペラシンガーズであった。
ソリストでは、ジョセ・ヴァン・ダムが圧倒的。
このフェスの常連、おなじみの顔だが、
今まででも最高の出来であった。
ナタリー・シュトゥッツマンは、
先日の小澤音楽塾の「復活」でもソロを任されていた。
この日の公演では、合唱に圧倒されて少々線が細く感じた。
アンソニー・D・グリフィーも小澤のお気に入りの一人、
同じく、合唱とヴァン・ダムの存在感の前では印象が薄かった。
小澤の指揮とオケ、高い技術と表現力で、この作品を支えた。
パンフレットを見ると、ずいぶんメンバーが入れ替わっている。
若返っていると同時に、外国人も目につく。
今や世界選抜といってもいいくらいの布陣だ。
さて演出。
年々予算が減らされているのだろう、
質素なプロダクションが続いている。
しかし質素な中にも、至るところにセンスの良さが表れていた。
特にエンディング、徐々に上っていく太陽、
最後にアーメンの大合唱で幕を閉じる。
一瞬の静寂、そして満員の観客席から大きな拍手。
至福のときを過ごすことができた。
●サイトウ・キネン・フェスティバル松本
メンデルスゾーン/オラトリオ「エリア」
'06.9.2 まつもと市民芸術館
ソプラノ:サリー・マシューズ
アルト:ナタリー・シュトゥッツマン
テノール:アンソニー・ディーン・グリフィー
バリトン:ジョゼ・ヴァン・ダム
合唱:東京オペラシンガーズ
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤征爾
演出:ジャン・カルマン
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