ざらざら/川上弘美
川上弘美の短編集「ざらざら」を読んだ。
偶然、図書館の新刊コーナーで手にしたのだが
これが思いもよらぬ大傑作。
“珠玉の”とは、この作品のためにあると言い切ってしまおう。
片思い、不倫、熱愛、失恋など、
女性のさまざまな恋愛模様を描いた23の短編集。
独特のふわふわ感というか、ほんわかとさせられる文体だが
実は1編1編が濃厚な恋愛小説で、
ワタシは十分に堪能させてもらった。
大好きな中林さんへの思いを綴る「コーヒーメーカー」
“あいたいよ。あいたいよ。二回、言ってみる。
それからもう一回。あいたいよ”
せつない・・・
ほかにも、黒田課長とのフリンを描いた「びんちょうまぐろ」、
旅先での大学生との短いながらも濃厚な恋「同行二人」など、
味わい深い作品がずらりと揃う。
一気読みした後、また1編ずつじっくり味わった。
この夏一番の収穫。
というわけで、5段階評価は★★★★★
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