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June 13, 2006

嫌われ松子の一生(中島哲也監督)

Matuko


前から気になっていた中島哲也監督「嫌われ松子の一生」を見てきた。
これは、日本映画史上に残る傑作だと言い切ってしまおう。
正確には、“怪作”なのかもしれないが、ワタシにとっては大傑作。

主人公、川尻松子の波瀾万丈の人生を描く。
生徒の不祥事がきっかけで教職を辞した松子は、
暴力をふるう売れない作家との関係を皮切りに
どんどん社会の深淵に落ちてく。

じつにやるせない物語なのだが、
中島監督はポップでエネルギッシュな作品として演出した。
70年代のテレビ映像や風俗を挿入したり、
ミュージカル風に展開したりと、
ある意味、映画の常識を超えた作品となっている。

松子役の中谷美紀がいい。
ソープ嬢、殺人犯など難しい役柄を見事に演じ切った。
脇役もそろっている。
なかでも体育教師役の谷原章介と、
アパート隣人役のゴリには、笑わせてもらった。

ラストシーンは、河原で殺された松子の魂(?)が、
川沿いに空を飛びながら、生まれ育った実家に戻る場面、
とても印象に残る感動的な終わり方だった。

古い話になるが、「太陽を盗んだ男」(長谷川和彦監督)や、
転校生」(大林宣彦監督)、「の・ようなもの」(森田芳光監督)を
初めて見たときのような衝撃を受けた。
この監督、これからも目が離せない。

というわけで、5段階評価は★★★★★

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