町長選挙/奥田英朗
風邪をひいて寝ている間に、
積んだままになっている本を何冊か読んだ。
まずは奥田英朗の「町長選挙」。
「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」の精神科医、
伊良部一郎が、またまた登場する。
4編の短編から構成され、うち3編はパロディ。
伊良部医師が有名人を診察するというシリーズで、
読めばだれでもモデルが分かる。
「オーナー」は、読売新聞グループの渡辺恒雄(ナベツネ)、
「アンポンマン」は、livedoor前代表取締役社長の堀江貴文(ホリエモン)
「カリスマ稼業」はたぶん、女優の黒木瞳。
伊良部医師の傍若無人な態度は、
相手が有名人になっても変わらない。
ハチャメチャのようで、
固定観念を打ち破るような発想は
時に、目からうろことなる。
看護士のマユミちゃんが今まで以上に活躍するのが
ワタシとしてはうれしい。
最後の「町長選挙」は、東京都の離島内での選挙の話。
これも痛快な一編だが、
地方自治に少なからずたずさわっている私は
すべてを笑い飛ばすわけにいかなかった。
ここまでひどくないにしろ、
首長選挙の結果、
用務員のような仕事をさせられた事例は
いくつも聞いたことがあるから。
というわけで、5段階評価は★★★★
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