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April 20, 2006

クローズド・ノート/雫井脩介

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雫井脩介の「クローズド・ノート」を読み終えた。
主人公は教師をめざす女子大生、香恵。
一人住まいの部屋で、
以前、住んでいた人が忘れていった日記を見つけた。
なにげにページをめくったその日記、
書いたのは小学校で教師をしている伊吹先生だった。
次第にその日記にひかれ、共感し、ほっとし、励まされていく。
そして伊吹先生に会いたくなって学校を訪れることにした・・・

香恵の子どもっぽい言動にはイライラするが、
伊吹先生の魅力でついつい引き込まれてしまった。
ストーリーは先が読めてしまうのが難点か。
たぶんそんなことだろうと思ったとおりになった。
あとがきは、ある意味、ネタばれとなっている。
必ず最後に読むこと。

ところで、主人公がアルバイトをするのは文具店の万年筆売り場。
このあたりの描写が、あまりにマニアックで、
よほどの万年筆好きでないと読むのが辛くなる。
ただ、こんなに店員からすすめられると、
良い万年筆を1本、手元に置きたくなるのも事実。

余談だが、私が大学に入学したとき、
父の友人で貿易商のFさんから、
パーカー万年筆をいただいたことを思い出した。
在学中は大切に使っていたのだが、その後は消息不明。
今も部屋のどこかにあるのか、あるいは無くしてしまったのか。
父もFさんも今はこの世にいない、
あのパーカー、もっと大切にすればよかったと
今さらながら後悔している。

というわけで、5段階評価は★★★★

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