家守綺譚/梨木香歩
友人から勧められていた、梨木香歩の「家守綺譚」を読み終えた。
読みづらい作品である。
恥ずかしいことだが、ワタシには分からない日本語がたくさん出てくるので、
何度も中断し、手元に置いておいた電子辞書を引いた。
たとえば第一章の「サルスベリ」だけでも
「栄耀栄華」「賛嘆」「うろ」「矯める」「逸る」「懸想」・・・
じっくりじっくり味わって読むと、
これはもしかすると大変な傑作なのではと思うように、
そして読み終えて確信した、まれにみる傑作だと。
売れない物書きが主人公。
亡くなった親友の実家の家守を頼まれ、
庭木が生い茂る一軒家に引っ越してくる。
そこでは、死んだ親友が掛け軸から飛び出してきたり、
河童や小鬼が登場したり、
奇想天外な出来事が相次ぐ。
ノスタルジックな幻想にひたれる至福の1冊。
ぜひ手元に置いて、何度も読み返したい。
というわけで、5段階評価は★★★★★
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