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February 01, 2006

ニーベルングの指環 第三夜「神々のたそがれ」(マリンスキー劇場)

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まずは「ニーベルングの指環」を
チクルスで見ることができた幸運を喜びたい。
一部のワグネリアンからしてみれば、
今回のゲルギエフのプロダクションは、
まったく評価されないものであったらしい。
しかし通して見るのが初めてのワタシには、
まあ満足のいくものであった。
そもそも「指環」の完璧な上演なんていうのは
無理なことだと思っている。

全体を通して、猫の目のようにキャストが変わったが、
そこそこの水準は保っていた。
オケも金管がときどき大きく外すことはあったものの
概ね及第点をあげたい。
特にこの日の、「ジークフリートのラインの旅」と
「葬送行進曲」は迫力ある演奏だった。

問題は演出。
演出家の意図が不明瞭であったのは事実。
歌や演奏を妨げないというように理解すれば、
まあ、大がかりなセミステージ方式だと
割り切って考えることにしよう。
4日間で、休憩を含めると19時間半の得難い体験をした後だ、
すべてを肯定的に考えたいと思う。

●サンクトペテルブルグ・マリンスキー劇場日本公演
ワーグナー:「ニーベルングの指環」第三夜「神々のたそがれ」
06'.1.22 東京文化会館

指揮:ワレリー・ゲルギエフ
演奏:マリンスキー歌劇場管弦楽団
演出:ゲオルギー・ツィーピン

登場人物
ジークフリート:アレクセイ・ステブリアンコ
グンター:アンドレイ・スペホフ
ハーゲン:アレクセイ・タノヴィツキー
アルベリヒ :エデム・ウメーロフ
ブリュンヒルデ:ラリーサ・ゴゴレフスカヤ
グートルーネ:ヴァレリア・ステンキナ
ヴァルトラウテ:ズラータ・ブルィチェワ
ヴォークリンデ:ジャンナ・ドンブロフスカヤ
ヴェルグンデ:リヤ・シェフツォーワ
フロースヒルデ:アンナ・キナーゼ
ノルン1:リュドミラ・カヌンニコワ
ノルン2:スヴェトラーナ・ヴォルコワ
ノルン3:タチアーナ・クラフツォーワ

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