イッツ・オンリー・トーク/絲山秋子
「沖で待つ」で第134回芥川賞を受賞した絲山秋子のデビュー作で
第129回の同賞候補作となった「イッツ・オンリー・トーク」を読んだ。
表題作と「第七障害」の2編の短編が収められている。
タイトルや表紙のイラストから、
もっと明るい恋愛小説をイメージしていたのだが、
これが重い、重い・・・
前者は、一人暮らしをする主人公の女性と、
取り巻きの男性たちの日常を淡々と描いた小説。
EDの都議会議員、いい年の居候、
ネットで知り合った痴漢、うつ病のヤクザなど、
個性的な男性が登場する。
この作家、ダメ男を描いたら日本一かもしれない。
もう1編は、ずいぶん作風が違う。
詳細は略。
「袋小路の男」を読んだときにも感じたのだが、うまい作家だ。
端正な文体は本当に美しい。
ただ、ワタシにとっては好きなタイプの小説ではない。
というわけで、5段階評価は★★★★
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