ニーベルングの指環 序夜「ラインの黄金」(マリンスキー歌劇場)
とても評判の悪いマリンスキー歌劇場の「ニーベルングの指環」。
4作品がすべて上演され、
今は2サイクル目に入ってきた。
まず私が見たのは初日の「ラインの黄金」。
指環4部作の中では「序夜」という位置づけで、
上演は1幕約2時間半、4作品の中では一番短い。
ゲルギエフの指揮とオケは立派だった。
演奏が荒いのは想定内のことで、
金管、打楽器が全快のサウンドは迫力満点。
そして最後まで集中力が途切れなかったことを評価したい。
歌手も特に不満はない。
これだけ頭数をそろえたのは、ロシアの底力だろうか。
問題は演出。
舞台装置は大掛かりだが、
ほとんど動かない横たわったミイラのようなハリボテは意味不明。
演出意図が理解できない。
このハリボテ、次の「ワルキューレ」では立っていた。
次第に、顔がついたり、背中に羽が生えてきたり
3幕では点滅しはじめた。
次作品からは、何らかの展開があるにちがいない、
そうであってほしい。
●サンクトペテルブルグ・マリンスキー劇場日本公演
ワーグナー:「ニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」
06'.1.11 東京文化会館
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
演奏:マリンスキー歌劇場管弦楽団
演出:ゲオルギー・ツィーピン
ヴォータン:エフゲニー・ニキーチン
ローゲ:ヴァシリー・ゴルシュコフ
アルベリヒ:ヴィクター・チェルノモルツェフ
ファーフナー:ミハイル・ペトレンコ
フリッカ:スヴェトラーナ・ヴォルコワ、ほか
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