幸福な食卓/瀬尾まいこ
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う・・・」
何とも意味不明な父の言葉で、物語は始まる。
そして主人公・佐和子の家庭や学校での生活が
淡々と描かれていく。
短編4本の連作で構成され、
「幸福な朝食」は主人公が中学2年生の春。
家族が抱える重い事実が徐々に明かされていく。
「バイブル」は中学3年生。
大切な大浦くんとの出会い。
後のキーパーソンとなる、兄の彼女がここで登場。
「救世主」は高校1年生。
高校生活がリアルに描かれる。
「プレゼントの効用」は高校2年生のクリスマス。
彼女に訪れるショッキングな出来事・・・
著者独特の優しさにあふれた文体は心地よい。
現役の教員だけあって学校生活の描写は巧みだが、
家族の描き方は、あまりにリアリティがない。
それに「プレゼントの効用」での出来事は
あまりに唐突すぎるし、主人公がかわいそう、
ワタシには納得がいかない。
というわけで5段階評価は★★★★
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