余裕の1月
1月は本を読みあさり、オペラを見まくった。
就職して20余年、こんなにヒマ、いや余裕のある月は初めて。
新年度予算のことでばたばたした時期はあったが
ほとんど残業はしなかった。
おかげで収穫も大。
○オペラ4本
○コンサート1回
○映画3本
○小説8冊
時間はいくらあってもいいものだ。
2、3月はこんなふうにはいかないのが分かっているので
少々ゆううつ・・・
1月は本を読みあさり、オペラを見まくった。
就職して20余年、こんなにヒマ、いや余裕のある月は初めて。
新年度予算のことでばたばたした時期はあったが
ほとんど残業はしなかった。
おかげで収穫も大。
○オペラ4本
○コンサート1回
○映画3本
○小説8冊
時間はいくらあってもいいものだ。
2、3月はこんなふうにはいかないのが分かっているので
少々ゆううつ・・・
ニーベルングの指環の3作目は「ジークフリート」。
前2作はマリンスキー劇場来日公演の
第1チクルスで見たが、後の2作は第2チクルス。
つまり2回目の上演となり、
演奏も歌手も充実していたと言えよう。
この作品から、「指環」の主人公ジークフリートが登場。
前作のブリュンヒルデに続き、
これでやっと主役の2人がそろうことになる。
オケの演奏はこなれてきたなという印象。
世間で批判を浴びるほど悪いとは思わなかった。
演奏が荒いのはこのオケの特性であり、
ワタシは個性だと思っている。
主役ジークフリートは見た目が良い。
いかにも英雄っぽい顔つきと体格をしていた。
しかし声は細くて頼りない感じで、
ジークフリートのイメージとは違っていた。
印象に残ったのは、大蛇のハーフナー役。
声がPAを通っていたような気がしたが、
地声であれば大したものだ。
ミーメ役も良かった。
聞き覚えのある声で、
調べたら、「ラインの黄金」でローゲ役を演じていた。
あのときも一番の出来であった。
ヴァシリー・ゴルシュコフの名前は覚えておこう。
ワタシ、この日は風邪を引いていて体調は最悪。
フラフラで会場に入ったのだが
幕が開いてからは、風邪のことなど忘れて、
あっという間に5時間半が過ぎた。
何とおもしろい物語なのだろう「指環」って。
●サンクトペテルブルグ・マリンスキー劇場日本公演
ワーグナー:「ニーベルングの指環」第二夜「ジークフリート」
06'.1.21 東京文化会館
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
演奏:マリンスキー歌劇場管弦楽団
演出:ゲオルギー・ツィーピン
登場人物
ジークフリート:レオニード・ザホジャーエフ
ミーメ :ヴァシリー・ゴルシュコフ
さすらい人/ヴォータン:エフゲニー・ニキーチン
アルベリヒ :エデム・ウメーロフ
ファーフナー :ミハイル・ペトレンコ
エルダ :ズラータ・ブルィチェワ
ブリュンヒルデ:ミラーナ・ブターエワ
森の小鳥:ジャンナ・ドンブロフスカヤ
戌年にちなみ、犬がジャケットになった音楽アルバムの
ベスト10が某サイトで選定されていた。
ワタシが選ぶなら、No.1は間違いなくこのアルバム。
「Rick Springfield / Working Class Dog」
ロックシンガー、リック・スプリングフィールドの大ヒット作。
中でも「ジェシーズ・ガール(Jessie's Girl)」は、
全米ナンバー1を獲得した名曲。
ジャケットは見たとおりのおとぼけワンちゃん。
何とも愛嬌のある顔だ。
アルバム買いの1枚である。
このところ伊坂幸太郎の作品を立て続けに読んでいる。
当たり外れがあるというか、
すべてがいいとは思わないが、気になる作家ではある。
読み終えた「重力ピエロ」は好きになれなかった1冊。
レイプによって生まれたため実の父親がわからない弟と、その兄が主人公、
育ての父はガンに冒され余命幾ばくもない状態。
そこで連続放火事件が起きる・・・
内容は重いのだが、いつものように歯切れ良く、センスある文体で、
一気に読ませせる。
作者の作品ではよく人が死ぬ、殺される。
どんな理由があろうと、人を殺すことには違和感を感じる。
しょせん小説、と割り切れないものがワタシにはある。
だからどんなに伏線のマジックが見事でも、
テーマである人間愛、兄弟愛がうつくしくても、
好きにはなれなった。
というわけで、5段階評価は★★★
ローリング・ストーンズ4回目の来日公演が決まり
チケットの先行予約が始まった。
早速、名古屋公演のS席をゲットした。
ストーンズは90年2月に初来日。
当時発売されたアルバムのタイトルから
「スティール・ホイールズ」ツアーと呼ばれた。
次いで95年3月の「ヴードゥー・ラウンジ」ツアー、
98年3月が「ブリッジズ・トゥ・バビロン」ツアー、
03年3月がリックス・ツアーの計4回来日しており
ワタシはそれぞれ1回ずつ公演を見ている。
これまでは最寄りが東京か大阪だったが、
今回初めて名古屋公演が実現した。
東京、名古屋以外にも仙台と札幌での公演がほぼ確定し、
チケットの売れ行きを見ながら、
さらに追加公演が発表になるのだろうと予想する。
前回のように、アリーナクラスでの公演も期待できるかも。
問題はチケット代。
また上昇し、S席は17,500円。
以下、A席14,500 円、B席12,500円、C席9,000円となっている。
カテゴリー分けしてあるのはうれしいこと。
ただ、電話で聞いたらS席のエリアは
ゴールデンサークル席以外のアリーナおよび1階席とのこと。
ほとんどがS席というわけだ。
で、このゴールデンサークル席って何かというと、
やはり今回初めて設定されたアリーナの前の方の席で、
驚くなかれ1枚55,000円なり。
ワタシも欲しかったが手が出なかった・・・
友人がリードギターを弾くアマチュアバンド“TWO”のライブを
“四谷OUTBREAK!”で聴いてきた。
このライブハウスでは1月20日から3日間、
「20世紀のレガロス 」と題して、
9組のカバーバンドが熱演を繰り広げていた。
TWOはブリティッシュ・ロックの雄
“THE WHO”の完全カバーバンドで、
彼自身、ファンクラブの元会長。
他のメンバーも当然のことながら筋金入りのフー・フリークばかりだ。
この日のステージは約1時間、
ワタシは「ジークフリート」の終演が遅くなったため、
会場に到着したのは残り20分となったとき。
それでもロックオペラ「トミー」から数曲と、
サマータイム・ブルースが聴けた。
メンバーは皆、おじさんばかりで練習と体力不足は否めないものの、
熱く楽しいステージだった。
ギターのピート・タウンゼントや、
ヴォーカルのロジャー・ダルトリーになり切っていたのには感心した。
何も壊さなかったけどね、大事な楽器ばかりだから。
本家のTHE WHOは、ステージで何もかもぶっ壊すパフォーマンスが有名だった。
チラシによると、他の日には
“QUEEM”、“Cheap Track”なんていうバンドも登場していた。
何のカバーバンドかは、想像のとおり。
前から気になっていた、おもちゃメーカー・タカラの
PC周辺機器「秘密基地をつくろう!」シリーズが、
いよいよ6月24日から発売されることになった。
このシリーズ、昨年10月に開催された
「WPC EXPO 2005」のタカラブースで発表され注目を浴びた。
でもって、ブースの名称が「秘密基地をつくろう!」
「秘密基地」という言葉に、世の男どもは弱いんだ〜、これが。
今回発売されるのは「エマージェンシーボタン」など4製品。
中でワタシが一番欲しいのは「ストームブラスター」。
一見すると迎撃ミサイルの発射台のようだが、
実は首振り卓上扇風機。
いやぁ、ネーミングも現物も素晴らしい!そしてバカバカしい。
買いだね、これ、買い!!
ターゲットは我々のような、
ガンダムや宇宙戦艦ヤマトに「萌え〜〜」のおじさんたちなんだろうな。
これらの製品を紹介したWPC EXPO のタカラブースでは、
「秘密基地をつくろう!」という主題歌まで用意して
流していたという徹底ぶりだったらしい、脱帽!
第二弾はどんな兵器が登場するのだろう、
早くも期待が高まる。
さて、ニーベルングの指環の第一夜「ワルキューレ」である。
いよいよ指環の物語が始まる。
この作品を生で見るのは、新国立劇場で上演された
キース・ウォーナー演出の東京リング以来、2回目。
45分の休憩2回を含めて5時間半の長丁場、
オケは管のキズもちらほらだったが、
まあ熱演といってよいのではないか。
ただ、聴かせどころの「ワルキューレの騎行」の場面などは
もっと躍動感あふれる音を期待したのだが
テンポの取り方が遅めで、間延びしてしまったような感じ、
期待はずれだった。
演出は相変わらずで、学芸会レヴェル。
舞台美術も前述のとおり、
ハリボテが立ち始めたのと、
顔がついたり、背中に羽が生えたりして、
3幕では点滅しはじめた。
このセットを除けば、演奏会形式とそれほど違いがない。
歌手は、黄金と同じく、悪くはないが
それほどレヴェルが高いわけではない。
ただ、ジークリンデ役のムラダ・フドレイは、
説得力のある歌と演技を見せてくれた。
そして、ブリュンヒルデ役のオリガ・サヴォーワも
見た目はともかく、いい声で、
ほかの男性役よりも目立っていた。
今回のリング・チクルス、
ワタシは1サイクル目の1、2作、
2サイクル目の3、4作のチケットを入手した。
明日からは後半戦のジークフリートと神々のたそがれ、
朝ののぞみで上京予定。
●サンクトペテルブルグ・マリンスキー劇場日本公演
ワーグナー:「ニーベルングの指環」第一夜「ワルキューレ」
06'.1.12 東京文化会館
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
演奏:マリンスキー歌劇場管弦楽団
演出:ゲオルギー・ツィーピン
ジークムント:オレグ・バラショフ
フンディング:ゲンナジー・ベスズベンコフ
ヴォータン:ミハイル・キート
ジークリンデ:ムラダ・フドレイ
ブリュンヒルデ:オリガ・サヴォーワ
フリッカ:ラリーサ・ジャチコワ、ほか
とても評判の悪いマリンスキー歌劇場の「ニーベルングの指環」。
4作品がすべて上演され、
今は2サイクル目に入ってきた。
まず私が見たのは初日の「ラインの黄金」。
指環4部作の中では「序夜」という位置づけで、
上演は1幕約2時間半、4作品の中では一番短い。
ゲルギエフの指揮とオケは立派だった。
演奏が荒いのは想定内のことで、
金管、打楽器が全快のサウンドは迫力満点。
そして最後まで集中力が途切れなかったことを評価したい。
歌手も特に不満はない。
これだけ頭数をそろえたのは、ロシアの底力だろうか。
問題は演出。
舞台装置は大掛かりだが、
ほとんど動かない横たわったミイラのようなハリボテは意味不明。
演出意図が理解できない。
このハリボテ、次の「ワルキューレ」では立っていた。
次第に、顔がついたり、背中に羽が生えてきたり
3幕では点滅しはじめた。
次作品からは、何らかの展開があるにちがいない、
そうであってほしい。
●サンクトペテルブルグ・マリンスキー劇場日本公演
ワーグナー:「ニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」
06'.1.11 東京文化会館
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
演奏:マリンスキー歌劇場管弦楽団
演出:ゲオルギー・ツィーピン
ヴォータン:エフゲニー・ニキーチン
ローゲ:ヴァシリー・ゴルシュコフ
アルベリヒ:ヴィクター・チェルノモルツェフ
ファーフナー:ミハイル・ペトレンコ
フリッカ:スヴェトラーナ・ヴォルコワ、ほか
ジョディ・フォスター主演、
最新鋭のジャンボ旅客機を舞台としたアクション映画
「フライトプラン」の試写会が
近くの博物館内で開催されたので出掛けたてきた。
途中までは、ジョディの迫力ある演技に圧倒され、
スクリーンに釘付けになっていた。
これはヒッチコックばりのサスペンススリラーか、と思いきや、
後半は肩すかしをくらったみたい。
何なの、このオチは。
予想外で驚いたが、冷静に考えると疑問や矛盾だらけ。
伏線だと思っていたことが、全然違っていたり、
そもそも、ジョディ・フォスター演じるカイル母子を
ターゲットにする必然性が理解できない。
ジョディ・ファン以外は、見る価値のない映画。
というわけで、5段階評価は★★
ブログを書き始めてから最低だな。
新年早々、本を乱読している。
今年4冊目は矢作俊彦の長編「ららら科學の子」、
タイトルにひかれて手にした1冊。
東京で学生生活を送った50代前半の全共闘世代が読むと、
感傷的にならざるを得ない作品だろう。
学生運動、三里塚闘争、文化大革命、ベトナム戦争などが盛り込まれ
テーマとしてはけっして軽くないのだが、
ストーリーはたいへん面白くて、
極上のエンターテイメントに仕上がっている。
主人公は学生運動の最中に起こした事件で指名手配され、
単身、中国に逃亡した。
30年間中国の農村で貧困生活の後、日本に帰ってきた。
このとき50歳、気持ちは10代の少年のような主人公が、
大きく変わってしまった日本と日本人を、
浦島太郎になった気分で見る。
このあたりの描写が実に細やかでうまい。
登場人物はそれほど多くない。
渋谷で出会う女子高校生、昔の友人志垣、
部下の傑(ジェイ)、そのガールフレンド礼子など、
魅力ある人物がそろっていて好ましい。
妹とはいつ会えるのか、
妻とはこれからどうなる・・・
ドキドキしながら読み続けたが、ラストは予想外。
楽天的だが、これもありかなと思った。
というわけで、5段階評価は★★★★★
ワレリー・ゲルギエフが、
手兵マリンスキー歌劇場管弦楽団を率いて来日した。
現在、ワーグナー「ニーベルングの指環」の公演中。
ワタシも先日、2作を見てきたばかり。
来日中はオペラ公演以外に
コンサートも数多く予定されている。
そのスケジュールを見て驚いた。
いつも精力的な指揮者だとは思っていたが
今回は今まで以上にタイトなスケジュールが組まれている。
26日間に何と、オーケストラが12、オペラが8の計20公演。
一覧にしてみよう。
7日 オケ 神奈川県・横須賀市
9日 オケ 埼玉県・所沢市
10日 オケ 東京都・初台
11日 オペラ 東京都・上野
12日 オペラ 同上
14日 オペラ 同上
16日 オペラ 同上
17日 オケ 福岡市
18日 オペラ 東京都・上野
19日 オペラ 同上
21日 オペラ 同上
22日 オペラ 同上
23日 オケ 同上
24日 オケ 東京都・六本木
26日 オケ 東京都・渋谷
27日 オケ 川崎市
28日 オケ 愛知県・豊田市
29日 オケ 兵庫県・西宮市
30日 オケ 鹿児島市
31日 オケ 静岡県・浜松市
オペラはワーグナーのニーベルングの指環を2サイクル、
つまり4作品をそれぞれ2公演ずつとなっている。
「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々のたそがれ」から構成されており、
それぞれ上演時間は休憩を含め、2.5、5.5、5.5、6時間。
驚くべきは、16日から18日まで、
上野で6時間の「神々のたそがれ」を演奏し、
翌日、福岡でオーケストラ公演、
翌々日、上野に戻り、休憩なしで2.5時間かかる「ラインの黄金」。
体力はもちろんのこと、集中力がもつのだろうか、はなはだ疑問。
地方公演は手を抜かざるを得ないのでは。
いや、ゲルギエフはそんな指揮者ではないと信じているが、
ロシア人がほとんどを占めるオケのメンバーは
どうだか分からない。
26日から31日までの
渋谷ー川崎ー豊田ー西宮ー鹿児島ー浜松っていう移動も
すごいものがある。
時期が時期だけに、交通機関のトラブルに遭わないことを祈るばかりだ。
これはおもしろい、
二転三転するストーリーに引き込まれ
一気に読み終えることができた、
貫井徳郎の「追憶のかけら」
戦後間もなく自殺した無名の作家の未発表手記を
偶然にも手に入れた大学の非常勤講師。
この手記をもとに論文を発表し、
自分の窮地を救ってくれると思っていたのが
逆に陥れられることになろうとは・・・
だれがこんな悪意に満ちた仕掛けをしたのだろうか。
作品の中に出てくる手記が読みごたえ十分で、
この手記の謎と主人公の仕掛けられた謎が交錯して
見事な効果を上げている。
ミステリーとしての完成度の高さは相当なもので、
エンターテイメントとしても一級品。
というわけで、5段階評価は★★★★★
今日から東京で、マリンスキー・オペラの
「ニーベルングの指環」4部作の鑑賞。
11日 ラインの黄金
12日 ワルキューレ
21日 ジークフリート
22日 神々のたそがれ
延べ18時間以上かかるが、
今日はまず序夜「ラインの黄金」を見てきた。
詳しくは後日、書き込むとして、短評は・・・
ゲルギエフの指揮とオケが圧倒的。
歌手も粒ぞろいで聴きごたえがあった。
ただ演出には失望した。
意味不明のセットは、あとの3作を見れば、
理解できるのだろうか。
では明日の「ワルキューレ」も楽しみにしよう。
ピーター・ジャクソン監督のリメイク版「キング・コング」を見た。
物語は、オリジナル版にほぼ沿っているらしい(前作を見ていないので・・・)。
キング・コングと、エイドリアン・ブロディ演じるジャック、
そしてナオミ・ワッツ演じるアンの三角関係が主軸となる。
第一部は導入部分で、
髑髏島に向かうまでのニューヨークでの出来事。
第二部は、さまざまな巨大生物が生息する髑髏島が舞台、
キング・コングが登場し、アンと出会う。
第三部は、キング・コングが生け捕りにされ、
ニューヨークで最期を迎えるまで。
素晴らしい出来映え、
さすがリング三部作の監督、
デティールまで凝っていてため息が出るくらい。
主役の3人は魅力的で演技力もある、
ワタシにとっては理想的なキャスティング。
さらに監督役のジャック・ブラックがいい味出している。
どこかで見たことある顔だと思ったら、
「スクール・オブ・ロック」のあの先生役だった。
しかし問題が無くはない。
まずは上映時間が長いこと。
ゆうに3時間を超え、特に第二部が長く感じる。
巨大な虫や恐竜の場面はもっと短く、
あるいは思い切ってカットしてしまえばいいのではと思ってしまう。
虫はあまりにリアルで、気分が悪くなってしまった。
次に、観ていて酔ってしまうくらい臨場感のある、
エンパイアステート・ビルのシーン。
高所恐怖症のワタシにはちと、辛かった。
というわけで5段階評価、
個人的には星4つだが、
冷静に映画を評価すれば★★★★★
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う・・・」
何とも意味不明な父の言葉で、物語は始まる。
そして主人公・佐和子の家庭や学校での生活が
淡々と描かれていく。
短編4本の連作で構成され、
「幸福な朝食」は主人公が中学2年生の春。
家族が抱える重い事実が徐々に明かされていく。
「バイブル」は中学3年生。
大切な大浦くんとの出会い。
後のキーパーソンとなる、兄の彼女がここで登場。
「救世主」は高校1年生。
高校生活がリアルに描かれる。
「プレゼントの効用」は高校2年生のクリスマス。
彼女に訪れるショッキングな出来事・・・
著者独特の優しさにあふれた文体は心地よい。
現役の教員だけあって学校生活の描写は巧みだが、
家族の描き方は、あまりにリアリティがない。
それに「プレゼントの効用」での出来事は
あまりに唐突すぎるし、主人公がかわいそう、
ワタシには納得がいかない。
というわけで5段階評価は★★★★
お正月に車で母を実家に送った。
半年ぶりに祖父の顔を見てきた。
母方の祖父は現在105歳。
昨年、男性としては県内の最高齢となったらしい。
ここ半年で2回入院したが、回復して帰宅。
12月末のときには、部屋で倒れているのを家族が発見、
意識がないので119番通報し、救急車で病院に運ばれた。
家族も今回はさすがに駄目だろうとあきらめかけたという。
ところが正月には元気な顔を見せてくれた。
なんと頑丈なからだなのだろう。
身内のことながら感心する。
ただ、もう弱っているのは事実。
この冬を越せるかというとちょっと・・・
クリスマスプレゼントに(自分で)購入したCD+2DVD。
この正月にじっくりと見聴きした。
メインは、1975年に発売された、
ロック史上に輝く名盤『明日なき暴走/Born To Run』の
デジタル・リマスターCD。
学生時代にLPレコードで購入し、
すり切れるまで聴いていたが、
当時、どうしてこんなに音がモコモコするんだろうと思っていた。
さすがにリマスター盤は音がクリアー、久しぶりに心躍った。
ワタシが彼の音楽にのめり込むきっかけは、
学生時代、偶然ラジオから流れてきた、
NYのライブハウス、ボトムラインでのライブ。
多くのミュージシャンにカバーされている名曲“Summertime Blues”と
当時発売されたアルバムの1曲目“Badlands”をメドレーで演奏。
これが実にカッコ良かった。
以来、この曲が含まれる“Darkness On The Edge Of Town”“Born To Run”と
アルバムをさかのぼって聴いた。
その後、2枚組の『The River』『Born In The U.S.A.』と名作を発表、
ワタシにとっての頂点は、85年の初来日。
名古屋飛ばしの来日ツアーを、京都府立体育館で見た。
開演前から異様な雰囲気で、
30分も前だというのに手拍子が始まる。
ステージが開くと終演まで3時間以上休憩なし、
あんなライブは見たことなかったし、これからも体験できないであろう。
しかしワタシの興味はここが頂点で、
以降、途絶えてしまった。
さて、今回購入したセット、
リマスターのCDも素晴らしいが、それ以上に感動的なのはボーナスDVD。
彼が初めて米国以外で開いたロンドンライブの様子が、
ほぼノーカットで2時間10分、収録されている。
若かりしころの完ぺきなパフォーマンスを
今になって見られるのは何という幸せであろうか。
あの来日公演での感動が蘇り、震えが止まらなくなった。
見どころはすべてだが、
あえて選ぶとすれば“Detroit Medley”。
No Nukes(79年、NYのマジソン・スクエア・ガーデンで行われた
原発反対コンサートのこと)のライブアルバムでは、
“Devil With The Blue Dress Medley”と呼んでいたが、
ロックの名曲をメドレーで演奏するというもの
彼のライブでは必ずといってよいほど登場した。
この曲が収められているのだからたまらない。
ロックファンならこの最高のパフォーマンスを、ぜひ見てほしい。
今やお正月の名物となりつつある「福袋」。
どうしてこれだけ人気があるのか、
ワタシには理解できない。
どの袋を選んでも、払った金額以上の商品が入っている、
絶対にソンはしないというのが福袋のウリ。
しかし待てよ、使わないもの、着ないもの、必要ないものなら
評価額は0円だと思うんだけど。
唯一、Apple Store直営店のLucky Bagならぜひ欲しい。
8万円相当のApple製品、オリジナルグッズが入っていて4万円。
何が入っていても後悔することはない。
ただし例年、徹夜しないと手に入らないからなぁ・・・
あ、今年はもう終わりました。
絲山秋子の「袋小路の男」を読んだ。
「袋小路の男」「小田切孝の言い分」の2部作に、
なぜか全然別の作品「アーリオ オーリオ」が収められた短編集。
前2作は、主人公とその恋人(?)小田切の
2人の距離感が何ともじれったい。
くっついたり、離れたり、
この関係はワタシには理解できない。
帯には「純愛小説」とあるが、本当にそうだろうか。
たしかに2人は肉体的な関係はない。
しかし、主人公は小田切との関係を
高校時代から12年間続けながら、
他の男性と付き合い、関係も持ってしまう。
それでも小田切を好きだというのが
純愛になるのだろうか。
「アーリオ オーリオ」は不思議な魅力を持った作品。
30歳代で独身の叔父と高校生の姪っ子の
書簡のやりとりを描いたもので、
そこには恋愛もなく、友情もなく、憎悪もない。
何もないけど、何かがある、
言葉ではうまく表現できない・・・
作品は端正な文体で綴られており、
久しぶりに純文学を読んだという
満足感を味わうことができた。
この作家、今までに、芥川賞候補3回、直木賞候補1回というから、
ブレイクは間近か。
これからの作品にも期待したい。
というわけで、5段階評価は★★★★
最近よく話題になる不条理な少年犯罪を
真正面から取り上げた意欲作。
演技に見えない自然な演技で話は淡々と進む。
この演出の仕方が、ワタシには受け入れ難かった。
感情移入することもなく、
あっという間にエンドロールが・・・
97分という上映時間は短過ぎやしないだろうか。
ワタシには監督の思いが伝わらなかった。
もっと脚本を練って2時間の長編映画にしてほしかった。
助演の池脇千鶴はいい。
実は彼女が目的でこの映画を見た。
今、一番好きな女優。
盲目的でとても冷静に評価できそうもない。
映画は初めてという小池徹平、
全然演技になってなくて論外。
主役の浅野忠信とエリカも・・・
というわけで5段階評価は★★★
ワタシの正月はここ数年、ずっと同じパターン。
年が明けてまず見るのは、
ベルリンフリルのジルベスターコンサートの中継。
終わったら睡眠をとり、
起きたら初詣。
帰宅後、サッカー天皇杯観戦。
今年は浦和VS清水という対決。
終わってから、新年の挨拶回り。
夜になったらウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
ヤンソンスの指揮ぶりが楽しみ。
以上が元旦。
2日は朝から箱根駅伝、
そして妹夫婦と食事。
これはすき焼きと決まっている。
3日は箱根駅伝の復路、
そして105歳の祖父がいる母の実家に新年の挨拶。
これであっという間に3日間が終わってしまう。
あとは空いている時間に、指環のCD予習と
昨年から読み残した本を読むことくらいか。
というわけで、今年もよろしくお願いします。
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