アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎
いつものことながら、タイトルの付け方がうまいなと思う。
「アヒルと鴨」と「コインロッカー」が、どうしても結びつかない。
ところが読み終えると、
これしかないと思わせてしまう見事なタイトル。
現在と2年前の出来事が交互に紹介される。
現在の語り手は、大学に入学するため引っ越してきた椎名、
最初に出会った隣人の河崎に、
「広辞苑を盗みに行こう」と誘われるところから物語は始まる。
2年前の語り手は、ブータン人を恋人に持ち
ペットショップで働く琴美。
こちらではペット殺しに巻き込まれる。
何の関係もなさそうな
2つの出来事のキーパーソンが河崎。
伊坂作品にしてはシンプルな構成だが、
登場人物が現在と2年前をクロスし始めると、
頭の中が混乱してしまった。
戻って読み返したことも何度かあった。
二つの出来事がしだいにつながっていくと、
全体のストーリーが見えてくる。
ラスト近く、コインロッカーから
ディランの名曲「ライク・ア・ローリングストーン」が
流れるシーンには涙した。
というわけで、5段階評価は★★★★
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Comments
ハジメマシテ。
ですが、実は相当前からこっそり拝見させていただいておりました。
るうかすさんと同県に住むものです。
僕的に今年一番の当たりは伊坂幸太郎を知ったことです。まだまだ若い作家さんなので今後もヒジョーに期待しています。
トラックバックさせてもらいました。
Posted by: マーク | December 07, 2005 09:13 AM
マークさま
いつもご覧いただきありがとうございます。
今、伊坂幸太郎の新刊「魔王」を読んでいます。
読み終えたらまたアップします。
マークさんのブログにも
ときどき顔を出させてもらいますね。
Posted by: るうかす | December 09, 2005 12:22 AM