水底の森/柴田よしき
柴田よしきの長編ミステリー「水底の森」を読んだ。
オープニングから、ぐいぐい引き込まれていった。
アパートの一室で、顔を潰された男の死体が発見された。
部屋には、シャンソン「もう森なんか行かない」が鳴り響いていた。
住んでいた高見健児、風子夫婦は行方不明。
翌々日、高見の死体が見つかるが、風子は姿を消したまま。
捜査にあたった刑事、遠野が風子のあとを追う。
風子の生き様と人間関係、そして事件の全ぼうが
時間と場所を行き来しながら徐々に明らかになってくる。
エンディングはあいまい、少なくともハッピーエンドではない。
評価の分かれるところかもしれない。
この物語の終わりは、これがふさわしかったと私は思う。
柴田よしきの作品を読むのは初めてだが、
なかなかの筆力で、一気に最後まで読んでしまった。
ミステリーとして、すぐにでも映画化、
あるいはドラマ化されそうな名作だと思う。
風子役が難しい。
だれがいいか、悩むところだ。
5段階評価で★★★★★
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