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September 30, 2005

バイエルン国立歌劇場「タンホイザー」

tannhuser


バイエルン国立(州立)歌劇場を初めて見たのは、
ルチア・ポップが元気なころの「フィガロの結婚」、
そして続けて市川猿之助演出が話題となった「影のない女」。
次が前回来日の「トリスタンとイゾルデ」、
この日の「タンホイザー」は4本目となる。

私にとってタンホイザーは特別。
生まれて初めて見たオペラだから。
会場はニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスだった。

さて、芝居好きの私は、どうしても演出が気になってしまう。
今回はデヴィッド・オールデン演出のプロダクション、
謎解きのようなわくわく感は最後まで続いた。
とても10年前につくられたとは思えない斬新さを備えた演出であった。
歌手や合唱団に相当の演技力を要求しており、
おもしろいと感じる一方で、意味不明の動きも少なくなく、
時にそれが邪魔に感じることもあった。

歌手は、全員高いレベルで、ほぼベストのキャストといってよい。
その中で特に印象に残ったのは、
領主へルマン役のサルミネン、ヴォルフラム役のキーンリサイド、
エリザベート役のピエチョンカ。
特にピエチョンカは、声に艶があり、
期待していたヴェーヌス役のマイヤーが
今ひとつだったこともあって、一人目立っていた。
これからも楽しみなソプラノだ。

指揮のメータ。
今まで何度も聴いているが、
これは!という演奏に出会ったことがない。
前日聴いたレック指揮東フィルが良かっただけに失望した。
小さなキズはともかく、アンサンブルが崩壊寸前のところもあって
ハラハラさせられた。
困ったものだ。

以上、いくつか不満は残るものの、全体としては十分楽しませてもらった。

●バイエルン国立歌劇場「 タンホイザー」
'05.9.24 東京文化会館
R.ワーグナー作曲
タンホイザー:ロバート・ギャンビル
領主へルマン:マッティ・サルミネン
ヴォフラム・フォン・エッシェンバッハ:サイモン・キーンリサイド
エリザベート:アドリアンヌ・ピエチョンカ
ヴェーヌス:ワルトラウト・マイヤー
ヴァルター・フォン・フォーゲルヴァイデ:ウルリッヒ・レス
ビッテロルフ:トム・フォックス
ハインリッヒ・デア・シュライバー:ケネス・ロベルソン
ラインマル・フォン・ツヴェター:スティーヴン・ヒュームズ

指揮:ズービン・メータ
演奏:バイエルン国立歌劇場管弦楽団
合唱:バイエルン国立歌劇場合唱団
演出:デヴィド・オールデン

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