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September 30, 2005

バイエルン国立歌劇場「タンホイザー」

tannhuser


バイエルン国立(州立)歌劇場を初めて見たのは、
ルチア・ポップが元気なころの「フィガロの結婚」、
そして続けて市川猿之助演出が話題となった「影のない女」。
次が前回来日の「トリスタンとイゾルデ」、
この日の「タンホイザー」は4本目となる。

私にとってタンホイザーは特別。
生まれて初めて見たオペラだから。
会場はニューヨークのメトロポリタン・オペラハウスだった。

さて、芝居好きの私は、どうしても演出が気になってしまう。
今回はデヴィッド・オールデン演出のプロダクション、
謎解きのようなわくわく感は最後まで続いた。
とても10年前につくられたとは思えない斬新さを備えた演出であった。
歌手や合唱団に相当の演技力を要求しており、
おもしろいと感じる一方で、意味不明の動きも少なくなく、
時にそれが邪魔に感じることもあった。

歌手は、全員高いレベルで、ほぼベストのキャストといってよい。
その中で特に印象に残ったのは、
領主へルマン役のサルミネン、ヴォルフラム役のキーンリサイド、
エリザベート役のピエチョンカ。
特にピエチョンカは、声に艶があり、
期待していたヴェーヌス役のマイヤーが
今ひとつだったこともあって、一人目立っていた。
これからも楽しみなソプラノだ。

指揮のメータ。
今まで何度も聴いているが、
これは!という演奏に出会ったことがない。
前日聴いたレック指揮東フィルが良かっただけに失望した。
小さなキズはともかく、アンサンブルが崩壊寸前のところもあって
ハラハラさせられた。
困ったものだ。

以上、いくつか不満は残るものの、全体としては十分楽しませてもらった。

●バイエルン国立歌劇場「 タンホイザー」
'05.9.24 東京文化会館
R.ワーグナー作曲
タンホイザー:ロバート・ギャンビル
領主へルマン:マッティ・サルミネン
ヴォフラム・フォン・エッシェンバッハ:サイモン・キーンリサイド
エリザベート:アドリアンヌ・ピエチョンカ
ヴェーヌス:ワルトラウト・マイヤー
ヴァルター・フォン・フォーゲルヴァイデ:ウルリッヒ・レス
ビッテロルフ:トム・フォックス
ハインリッヒ・デア・シュライバー:ケネス・ロベルソン
ラインマル・フォン・ツヴェター:スティーヴン・ヒュームズ

指揮:ズービン・メータ
演奏:バイエルン国立歌劇場管弦楽団
合唱:バイエルン国立歌劇場合唱団
演出:デヴィド・オールデン

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September 29, 2005

チャーリーとチョコレート工場(ティム・バートン監督)

choco


封切り2日目の日曜朝一番、近くのシネマコンプレックスに行ったら、
チケット売り場が大混雑で、上演時間に間に合わず断念。
その夜、もう一度行ってみたら今度は満席。
今夜、3度目の正直で、やっと見ることができた、
チョコファクこと「チャーリーとチョコレート工場」。
興行的にも大成功のようだ。

待ちに待った、ティム・バートン監督、ジョニー・デップコンビの作品。
「ネバーランド」に出演していたフレディ・ハイモアくんも共演とあって、
見る前から期待は高まるばかり。
さて感想はというと、うーん、頭を抱えてしまった。

出演者はみな、すばらしい。
ウォンカ役のジョニー・デップ、チャーリー役のフレディ・ハイモアはもちろん、
ゴールデンチケットをゲットした4人の悪ガキどものキャラクターも最高。
チャーリーの両親、おじいちゃん、おばあちゃんたちの存在感も印象に残る。
バートン監督の、毒があるけどどことなくコミカルな演出もいつもどおり。
ではどこが不満なのと聞かれれば、
結局のところ、ちっちゃなおじさんたち「ウンパ・ルンパ族」が
好きになれなかったのかな。

ストーリーでは、落ちていたとはいえ、
ネコババしたお札で買ったチョコが当たりというのは、
どうも納得いかない。

大好きな監督だから、
次の機会に、スリーピー・ホロウを超える作品を期待しよう。
というわけで、5段階評価は辛めの★★★

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September 27, 2005

杉本 博司「時間の終わり」

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オペラ鑑賞の合間を縫って、
六本木の森美術館で、杉本博司の企画展「時間の終わり」を見た。

自然史博物館に設置されている三次元展示のはく製動物を
まるで生きているかのように撮影する“ジオラマ”シリーズ、
全米の古い映画館、ドライブイン・シアターで
上映時間の間、ずっとシャッターを開き続け、
スクリーンと劇場風景を記録した“ジオラマ”シリーズなどで有名な写真家。
今回は、75年から05年に制作された代表的作品が、
初めて一堂に会する回顧展。

そう、圧倒されたという表現がぴったりくる。
体じゅうに電気が走るくらい、ただただ圧倒された。
各シリーズには、作家本人によるコメントが記載されている。
一見、難解と思えるような作品も、付された彼のコメント読むことで、
制作のコンセプトが明解に現れてくる。

一番気に入ったのは、“シースケープ(海の風景)”シリーズ。
世界中の海を撮影したこのシリーズは
それぞれに個性的な表情を持った海を空と二分割した構成になっている。
作品群を前にし、動けなくなってしまった。
ありがたいものを見させてもらった、そんな気持ちになった。
杉本博司が神に思えてきた。

開催期間中、もう一度見に行きたい。
そして1冊6000円と聞き、迷った結果、
購入しなかった図録を手に入れてこようと思う。

●杉本 博司「時間の終わり」
’05.9.24 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53F)

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September 26, 2005

新国立劇場 「 ニュルンベルクのマイスタージンガー」

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ワーグナー作曲の楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、
休憩を入れると6時間余り、ソリストもたくさん必要で、
上演される機会はそう多くない。
私がこの作品を生で鑑賞するのは、
10年ほど前のベルリン・ドイツ・オペラ(デ・ブルゴス指揮)以来、2回目。
このときはゲッツ・フリードリヒの演出が話題を呼んだ。
今回は、新国立劇場05/06シーズンのオープニングを飾ることになった。

9月25日の記事に書いたとおり、
まず特筆すべきは、指揮者のレック。
東フィルを見事掌中におさめ、
全体に早めのテンポの引き締まった演奏を最後まで続けた。

次に挙げたいのは歌手の頑張り。
この作品はザックス役に尽きる。
若いエーファが慕うわけだから、
歳を取っているとはいえ、大人の魅力を持っていなければならない。
その点で、ペーター・ウェーバーは、声、容姿とも
私のザックス像にぴったり。

ポーグナー役のハンス・チャマー、
威厳のある歌いっぷりは、
この作品を引き締めていた。

演技力が必要なベックメッサー役は、
マーティン・ガントナーが最後まで、見事に演じ切った。

最後に結ばれるヴァルター役のリチャード・ブルナーと、
エーファ(エヴァ)役のアニヤ・ハルテロス。
若々しくて好感が持てた。

そして、ヴァイクルの演出。
彼はザックス歌いで有名、この作品は熟知している。
特に、3幕でのエーファ、ヴァルターとの三角関係は
見ていてハラハラした(良い意味で)。
しかしシンプルでオーソドックスな舞台美術は、ちょっと期待外れ。
これは2日後に見たバイエルン州立劇場と比較すると顕著であった。
もう少し予算があれば、といったところか。

全体的に優れたプロダクションで、
期待以上の出来であった。

●新国立劇場「 ニュルンベルクのマイスタージンガー」
'05.9.23 新国立劇場オペラ劇場
R.ワーグナー作曲
ハンス・ザックス:ペーター・ウェーバー
ファイト・ポーグナー:ハンス・チャマー
クンツ・フォーゲルゲザング:大野光彦
コンラート・ナハティガル:峰茂樹
ジクストゥス・ベックメッサー:マーティン・ガントナー
フリッツ・コートナー:米谷毅彦
バルタザール・ツォルン:成田勝美
ウルリヒ・アイスリンガー:望月哲也
アウグスティン・モーザー:高橋淳
ヘルマン・オルテル:長谷川顯
ハンス・シュヴァルツ:晴雅彦
ハンス・フォルツ:大澤建
ヴァルター・フォン・シュトルツィング:リチャード・ブルナー
ダーヴィット:吉田浩之
エーファ:アニヤ・ハルテロス
マグダレーネ:小山由美
夜警:志村文彦

指揮:シュテファン・アントン・レック
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
演出:ベルント・ヴァイクル

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September 25, 2005

3日でワーグナー3本、延べ16時間の旅

3連休はずっと東京、横浜。
3日間でワーグナーを3本見てきた。
延べ16時間かかった。
先ほど帰ったところなので、まずは短評を。

23日、新国立劇場「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
予想に反して、なかなかの出来。
まずは、レックの指揮と東京フィルの頑張りに拍手。
最後はへばったが、ザックス役がよかった。
演出は、最近の新国らしいあまりお金の掛かっていないシンプルなもの。
音楽の邪魔にならないのはいいが、もう少し何とかならないか。

24日、バイエルン国立歌劇場「タンホイザー」
すばらしいプロダクションで大満足。
歌手は、エリザベート役、ヴォルフラム役、タンホイザー役、領主役など、
皆、初日とは思えないほどの充実ぶり。
ただ、目玉ともいえるヴェーヌス役のマイヤー、
少々衰えが見えてきたのか、声に張りがない。
それでも存在感は一番感じさせてくれた。
メータ指揮歌劇場管弦楽団は期待はずれ。

25日、バイエルン州立歌劇場「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
新しいプロダクションだが、これまた素晴らしい!
1幕は歌手、演出など不満の残る内容だったが
2幕、3幕と進むたびに演出が冴えわたり、
見事な、感動的なエンディングを迎えた。
3幕の5重唱は忘れられない。
天にも昇るとは、このこと。

24日は、森美術館で
杉本 博司「時間の終わり」を見てきた。
圧巻!!

それでは、詳細はまた後日。

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September 22, 2005

シンデレラ・マン(ロン・ハワード監督)

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アメリカ人て、どうしてこんなにボクシング映画が好きなんだろう。
往年のロッキーシリーズ、
最近なら、オスカーを獲得した「ミリオンダラー・ベイビー」。
そして今公開されているロン・ハワード監督の「シンデレラ・マン」も、
実在のボクサーを扱った映画。

世界恐慌のさなか、生活保護まで受けていた元ボクサーが、
マネージャーの計らいでチャンスをつかみ、
見事復活を遂げ、ヘビー級のチャンピオンになるという
サクセスストーリー。

主演のラッセル・クロウ、レニー・ゼルウィガーの演技力が
一番の見どころだろう。
さすがオスカー俳優である。

伝説のボクサーラッセル・クロウ、その妻レニー・ゼルウィガーだけでなく
彼らの子どもたち、マネージャーのジョー・グールド、
対戦相手のマックス・ベアなど、
登場人物が皆、魅力的に描かれている。

ボクシングシーンはCGを使った迫力あるもの。
あまりに生々しくて、パンチを受けた瞬間、
こちらも思わず顔をゆがめてしまう。
こういう映像は苦手だという人もいるが、
だからといって、映画の評価が低くなることはないであろう。

テンポもよい。
初めは世界恐慌の暗く生々しく場面が続く。
チャンスをつかんでから、タイトルマッチが終わるまでは、
手に汗握るシーンが続く。

どうしても「ミリオンダラー・ベイビー」と比較することになってしまうが
私は、こちらの映画が好き。
というわけで5段階評価は★★★★★

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September 20, 2005

ワーグナー三昧

nurnberg

今度の3連休は、珍しく1日も仕事が入ってない。
そこで2泊3日のオペラ鑑賞旅行に出掛けることにした。

23日(祝)新国立劇場 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(ワーグナー作曲)
24日(土)東京文化会館 バイエルン州立歌劇場 歌劇「タンホイザー」(ワーグナー作曲)
25日(日)神奈川県民ホール 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(ワーグナー作曲)

マイスタージンガーは休憩を入れると6時間近くの大作。
タンホイザーも4時間くらいか。
何といっても3日間のうちに
別プロダクションのマイスタージンガーが見られるとは、
なんという幸せであろう。

実は、来年1月のマリンスキー・オペラによるニーベルングの指環、
「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」の
4公演ともチケット購入済み。

さらには、12月、ハノーファ歌劇場と二期会の共同制作による「さまよえるオランダ人」。
これもワーグナー作曲。
まだチケットは購入してないけど、たぶん行く。
当分はワーグナー三昧が続きそう。

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September 19, 2005

草間彌生「魂のおきどころ」

kusama


松本を訪れるとき、必ず立ち寄るのが松本市美術館
今年の企画展は、草間彌生の「魂のおきどころ」、
サイトウキネンの公演前に、時間をかけてゆっくりと鑑賞してきた。

今回の展示会は、同館と東京国立近代美術館、熊本市現代美術館など
5館の共同開催となっている。
昨年10月から各美術館を巡回し、
それぞれテーマに沿った展示を行ってきた。
最終開催地がこの松本。
草間彌生の幼少時の作品から近年の代表作まで、
他館より多い168点を展示していた。

あの独特の水玉(ドット)は、一度見たら忘れられない。
映像で見た若き日の草間彌生は、
生きた馬にまでドットを貼付けていた。
恐るべし、というか、笑ってしまった。

2年前に同館で、あるいは昨年、森美術館で見た作品も多くあったが、
一番のお気に入りは「ハーイ、コンニチハ!」のタイトルが付いた、
人形や犬のオブジェ。
体はもちろん犬の口の中までもドットだらけ。
でも、キャラクターっぽくて、親しみを覚える。

ナルシスの庭と名付けられた中庭もユニーク。
銀色の玉が無数に敷き詰められている。
さらには、近くの自販機までドット模様が。
ここまでやるかって、苦笑。

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September 18, 2005

天使のナイフ/薬丸岳

tenshi

まだ若い作家、薬丸岳の「天使のナイフ」を読んだ。
今年度の江戸川乱歩賞受賞作ということで期待も大。
それを裏切らない、魅力あふれる作品だった。

この作品は、少年犯罪を、加害者、被害者、それに関わる人たちの視点から、
さまざまな問題を提起している。
そういった重いテーマを扱いながらも、
エンターテイメントとしての質を下げてないことが、
何よりも素晴らしい。

はたしてだれが犯人なのか、
ラストに近くなり、何度もどんでん返しが続く。
そして最後に、すべての伏線がつながる。
見事な構成である。

あまりに出来すぎたストーリーは、ご都合主義という反論もあろう。
しかし、この作品はミステリー、エンターテイメントだと
割り切ってしまえばよいだけのこと。

というわけで5段階評価は★★★★★

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September 17, 2005

恥ずかしいTシャツ

今日は休日出勤。
イベントのため1日中、外にいた。
ずっと隣にいたのは、この8月、私の課に配属された米国人のRちゃん。
大学を出たばかりのとてもキュートな女の子なのだ。

二人で雑談をしていると、
目の前を通り過ぎた10人くらいの団体、
20代の男性が多いが、女性も数人いた。
そのお揃いの英語が入ったTシャツを見たRちゃんは、
すかさずカメラ付き携帯を取り出し、写真を撮り始めた。

「どうしたの?」って聞いたら、
「あんなTシャツ着てる人、アメリカにはいないから
友達に見せてあげるの」

すぐに理由は分かったけれど、
日本語も堪能なRちゃんに、ちょっと意地悪な質問を。

「あれって日本語でどういう意味?」

「うーん、2つの意味があるよ。
ひとつは、建物や柱を立てることで、
もうひとつは・・・」

ここで赤面し、あとの言葉が続かなかった。
Tシャツに書いてあった英語とは、

“erection”

「勃起」だよ、「勃起」

実はこのTシャツを着ていたのは、
県立の芸術系の大学院大学の学生と県職員。
そのTシャツ着て歩くのは、勘弁してほしいな。

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September 15, 2005

'06サイトウ・キネン・フェスのプログラム

15回目を迎える来年のサイトウ・キネン・フェスティバル、
そのプログラムが発表になった。

来年もオペラ公演はない。
ただし、メンデルスゾーンの劇的オラトリオ「エリア」を、
フル・ステージ形式で上演する。
以前、ベルリオーズの劇的物語「ファウストの刧罰」が
このような公演だったと思う。
アクロバットをも用いた斬新な演出だった。
今度はどんな公演になるのか、楽しみだ。

オーケストラ公演は、小澤征爾指揮で、
ショスタコーヴィチの交響曲第5番と、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番。
ピアノを弾くのは内田光子なのだから、これも聴きもの。
最低2回は、松本市まで足を運ぶことになるのだろうな、たぶん。

詳細は、以下のとおり。

○メンデルスゾーン:劇的オラトリオ「エリア」
サイトウ・キネン・オーケストラ/小澤征爾 指揮

演出:ジャン・カルマン
預言者エリア(バス・バリトン):ホセ・ファン・ダム
王女イゼベル(コントラルト):ナタリー・シュトゥッツマン
王アハブ(テナー):アンソニー・ディーン・グリフィー
天使(ソプラノ):スーザン・グリットン

オーケストラは2プログラム
○小澤征爾 指揮
 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ピアノ:内田光子
 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番

○ゲスト・コンダクター  アラン・ギルバート指揮
 マーラー 交響曲第5番  他

ふれあいコンサート
○内田光子(ピアノ) リサイタル
○ホセ・ファン・ダム(バリトン) リサイタル 

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September 13, 2005

そば処 もとき(松本市)

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松本日帰り旅行シリーズ、その2。
松本には有名な蕎麦屋がたくさんあるが、
知名度からいうと「もとき」と「野麦」が双へきか。

今回は「もとき」の盛りそばを食べた。
ここの蕎麦の特長は、コシの強さ。
最初に食べたときの印象は、何これ、かたすぎる〜。
でも食べていくうちに、だんだん慣れてきて、
このコシが病みつきになる。
蕎麦ツユもあまり濃くなく、私好み。

ホームページを見ると店主のうんちくがいろいろ書かれている。
ツユのダシの鰹節は焼津から直接買い付け、とか、
穂高のワサビ、松本産のネギなどなど・・・
私はそういうことには関心がない。
実際に食べてみて、おいしいか、おいしくないかが問題なのである。

鼻につくことがあっても、やはり「もとき」の蕎麦はうまい。
だから何度も足を運ぶ。

●そば処 もとき
松本市開智2丁目32号
Tel.0263−36−3410

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September 12, 2005

サイトウ・キネン・フェスティバル松本 シェーンベルク「グレの歌」

サイトウ・キネン・フェスティバルの最終日に、松本まで行ってきた。
昼ごろ松本に着き、「もとき」の蕎麦。
草間彌生の企画展が開催されている松本市美術館へ立ち寄った後、
会場の松本市民芸術館へ。
このホールを訪れるのは2回目、随所に曲線の美しさがあらわれている。
ここで昨年のヴォツェックのようなオペラが上演されないのは、
あまりに惜しい。
来年以降はぜひ、オペラ公演を期待したい。

さて今年のメインはシェーンベルクの大作「グレの歌」。

歌手では、農夫と語り手を演じたグルントヘーバーが堂々たる歌いっぷり。
出番は少ないものの、曲全体をぐっと引き締めていた。
山鳩役のデ・ヤングも1部の最後のアリアで、観客を圧倒した。
この二人の説得力ある歌唱を聴けただけでも
松本まで足を運んだ甲斐があるというものだ。
道化のクラウス役はエインズリー。
コミカルな演技力には脱帽だ。
以上3人に5つ星。

主役の二人、
ワルデマール役のモーザー、トーヴェ役のブリュワーともに
歌いっぷりは良かったが、第一部が単調だったので少し減点。
それでも4つ星以上。

グレの歌を聴くのは初めてだったが、
これだけ歌手がそろうことは滅多にないのではないかと感じた。
それほどすばらしい出来であった。

合唱の東京オペラシンガーズは例年どおりの大活躍。
男声・女声合わせて160人くらいいただろうか。
安心して聴くことができた。

いつものメンバーが勢揃いしたサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)、
弦の編成が14型というのは今までにない大編成ではないか。
安定した演奏を聴かせてくれたのは、この日が最終日だったからか。
特に、木管と打楽器が好調。
機能的なSKOだが、もう少し官能性が出ると、よかったのではと思う。

小澤の指揮は可も無く不可も無くといったオーソドックスなもの。
奇をてらわず、真摯にこの曲に対峙していた。
今年で70歳、
にもかかわらず、5日間で4公演というハードスケジュールを
こなすとは、恐れ入った。

セミ・ステージ形式は、
シンプルな舞台の中で、
衣装を着けた歌手が歌いながら、少しだけ演技をするというものだが、
この大作を理解する上ではとても効果的だった。

●サイトウ・キネン・フェスティバル松本
'05.9.8 松本市民芸術館

シェーンベルク「グレの歌」
(セミ・ステージ上演)

ワルデマール:トーマス・モーザー
トーヴェ:クリスティン・ブリュワー
山鳩:ミシェル・デ・ヤング
クラウス:ジョン・マーク・エインズリー
農夫/語り手:フランツ・グルントヘーバー
合唱:東京オペラシンガーズ
演出 : 飯塚励生

小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ

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September 11, 2005

Cole HaanのSANTA.BARBARA

colehaan


前から欲しかった、コールハンのスリッポン、
SANTA.BARBARAを買ってきた。
ソールにNike Airを使用した、機能性の高いシューズ。

ずっと使ってきた、TOD'Sのスリッポンのソールが減り、
修理不能になったので、代わりを探していた。
ふだん、仕事でもチノパンツをはくことの多い私は、
シューズもスニーカーやスリッポンがほとんど。
ナイキ・エアを使ったこのシューズは、
足にも優しくて快適。
早速明日から履いていこう。

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September 09, 2005

欲しい!「iPod nano」

ipod_nano


iPod nanoが発表された。
Appleは本当にうつくしいものを作ってくれる。
またまた物欲がわいてきた。

iPodもiPod miniもiPod Shuffleも持ってるんだけど・・・

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September 08, 2005

今年もサイトウキネンへ

今年もサイトウ・キネン・フェスティバルのシーズン。
朝から松本に出掛け、先ほど帰ってきた。

今年はオペラの上演がない。
メインは、シェーンベルクの「グレの歌」。
サイトウ・キネン・オケ(SKO)と一流の歌手、そして合唱の東京オペラシンガーズで、
この超大曲が聴ける幸せを十二分に味わってきた。

詳しくは後日、報告するとしよう。

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September 07, 2005

30代で「憂歌団」かよ〜,渋すぎる〜

わが社には、まだ宿直の制度がある。
一昨日は何カ月ぶりかの宿直の日だった。
2人(もちろん男性同士)で勤務するのだが、
この日一緒だったのは、30代半ばの若手(?)職員Kくん。

いろいろ話しているうちに、彼はローリングストーンズのファンで、
4回の来日公演はすべて聴きに行っていることがわかった。
特に前回は、東京ドーム、横浜アリーナ、大阪ドームと
3カ所で聴いているというから、なかなかのもの。
私も前回は、合○の仕事が忙しくて、
何とか都合がついた大阪だけ聴きに行っている。

さらには憂歌団(ゆうかだん)も好きだという。
30代でこの伝説のバンドを知っていること自体、珍しいが、
カラオケでの十八番は「パチンコ」と「おそうじおばちゃん」。
これって私とおんなじじゃん。
というあたりから音楽談義になって、ついつい遅くまで語り合ってしまった。
こんな身近なところに、世代を超えて同じ趣味の人がいるってことには、
ほんとびっくり〜。

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September 06, 2005

天国はまだ遠く/瀬尾まいこ

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伊坂幸太郎の長編を読み終え、さて次は何を、と思ってたら、
自宅で偶然見つけた、瀬尾まいこの「天国はまだ遠く」。
どうやら長女が図書館から借りてきたものらしい。
ページをめくっているうちに、最後まで読んでしまった。

自殺をしようとして20代の千鶴がたどりついたのは、
人里離れた山奥の民宿。
そこで出会った人、自然などに癒されていくという単純なストーリー。

たったそれだけのこと、特に驚きや感動があるわけではない。
でも、このところサスペンスやミステリーを読むことが多かった私には
とても新鮮に感じた。
甘いよ、この小説、なんて心の中でつぶやきながらも、
読んで心が洗われるようなこんな小説も、時にはいいなって、
素直な気持ちで受け入れたいと思う。

5段階評価で★★★

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September 05, 2005

オーデュポンの祈り/伊坂幸太郎

isaka


ラッシュライフ」に続いて、伊坂幸太郎の「オーデュポンの祈り」を読んだ。
奇想天外なストーリーだ。
コンビに強盗に失敗した主人公が、
いつの間にか「荻島」という、江戸時代から鎖国を続けている孤島にいた。
そして、しゃべることができ、未来を予見するカカシが登場・・・

設定があまりにも非現実的で、最初は、どう?って唸っしまった。
しかし、人を殺しても許される桜という名の男、
うそしか言わない画家、太って動けないウサギという名の女性、など
強烈なキャラクターの持ち主が次々と登場し、
徐々に伊坂ワールドへ引き込まれいく。

この島で、連続殺人事件が起きる。
最初の被害者は、なんとカカシ。
このあたりから、ストーリーは大きく動きはじめる。
警察官、城山と桜の対決場面が一番のクライマックスか。
残虐な場面であるのに、この爽快感はどうだろう。

「この島に欠けているもの」が何なのか、
謎解きとなってラストを迎える。
何だろう、なるほどそうなんだ!
緩やかな高揚感を味わうことができた。
それは私にとっても、大切なものだった。
無くても生きてはいけるが、無かったら生きていく価値がない、
そう、真剣に思っている。

5段階評価は★★★★

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September 04, 2005

ストーンズのニューアルバム

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ローリングストーンズ、8年ぶりの新譜「A Bigger Bang」が発売になった。
まだ購入していないが、発売当日、CDショップで全曲試聴してきた。

意外だったのは、シングルカットの第1弾がバラードであったこと。
「Streets Of Love」、悪くはないのだが、
ここはやはりストレートなR&Rで決めてほしかった。
カップリングされている「Rough Justice」こそ
復活第1弾にふさわしかったのではないだろうか。

そしてジャケット。
これはないよな〜。
ポール・マッカートニー&ウィングスの「Back to the Egg」かと思った。
雰囲気、似てるでしょ?
個人的には70年代の「Sticky Fingers」や「Exile on Main Street」
あるいは「Love You Live」あたりのジャケットデザインが
一番ストーンズらしくて好き。

ところでこのCD、「セキュアCD」といって、
東芝EMIの新たなコピーコントロールCD。
何回かはパソコンでリッピングできるそうだが、
そこまでする必要があるのだろうか。
私はガードされていないインポート盤を買う。
国内盤より1,000円安いしね。

さあ、いよいよワールドツアーもスタートし、
来年春には来日公演もほぼ決定。
今までも、東京、大阪の各ドームに足繁く通ったが、
今度こそ、ナゴヤドームでの公演を期待したい。

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September 03, 2005

映画「空中庭園」の公開

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映画「空中庭園」の監督が、マリファナの不法所持で逮捕された。
封切り直前なので、今後、上映されるかどうか心配していたが、
「空中庭園」製作委員会が、予定通り10月中旬から
全国で順次公開することを発表した。

ところが一方で、東京、大阪の劇場で上映予定だった東京テアトル
「社会的道義的責任は重い」として、公開中止を独自に決めた。

原作は、角田光代の同名の小説。
直木賞候補にもなり、私も5つ星を付けた傑作。
豊田利晃という監督はまったく知らないが、
ぜひ見たいと思っていた作品だし、
少しでも製作費を回収したい製作側の思いはよくわかる。
配給側の言い分ももっともだ。
今後の展開が気になるところだが、
一映画ファンとしては、ここまで来て、お蔵入りにするのは、
あまりに惜しいと思う。

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September 01, 2005

中部国際空港(セントレア)

tabibito


中部国際空港(愛称は、セントレア)に初めて行ってきた。
旅行に行くわけではなく、かといって新空港を見学に行くわけでもない、
仕事の上での単なる、お見送り。
朝5時半に起き、最寄りの私鉄の駅から特急に乗って
8時ごろには空港に到着した。

見送りをした後、ショップ&レストランを見て回った。
残念ながら朝早かったため、一部の飲食店を除いて、閉店が多かった。
コーヒーを飲んで、早々に帰ってきた。
また次の機会に、ゆっくり見てくるとしよう。

ところで、セントレアのキャラクター
「なぞの旅人フー」とその仲間たちは、なかなかいい味出している。
特に黄色い鳥、その名も「なぞのトリ」は、
ほのぼのとして、私の大のお気に入り。

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