九月の四分の一/大崎善生
大崎善生の「九月の四分の一」は、
4作からなる短編集。
連作ではないが、いくつかの共通点が見い出せる。
主人公は40代の男性で、
一度は挫折を味わっていること、
登場する女性が、主役を食わない程度に魅力的であること。
ビートルズ、ストーンズ、ツェッペリン、ABBA.etc.
60、70年代の懐かしいポップスが登場すること、など。
4作品とも印象深いが
生ギター1本で、レッド・ツェッペリンの「ロックンロール」を歌う
真美が登場する「悲しくて翼もなくて」は絶品。
著者の洗練された文体は、
読みやすいだけでなくインテリジェンスを感じさせる。
これからも楽しみな作家だ。
5段階評価で★★★★★
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