ネルロ・サンティ/PMFオーケストラ
故レナード・バーンスタインの提唱によって
世界中から若手演奏家が札幌につどい、
一流のアーティストの指導を受けるPMF。
(“パシフィック・ミュージック・フェスティバル”の略)
その成果を発表するコンサートを、札幌以外の都市でも開いている。
毎年指揮者は豪華で、一昨年はいぶし銀のハイティング、
昨年は情熱のゲルギエフ、
そして今年は、イタリアの巨匠、ネルロ・サンティ。
おまけにプログラムが、ロッシーニの序曲3曲と
レスピーギのローマ三部作となれば、
聴き逃すわけにはいかない。
1曲目の「セミラーミデ」序曲から、オケも指揮者も絶好調。
金管に少々ミスが出る以外は、ほぼ完璧な出来。
私としてはもっとスピーディーな演奏が好みだが、
確実にリズムを刻んでいく堅実な演奏も悪くない。
大きめの編成によりロッシーニ・クレッシェンドが効果的に響いた。
前半の3曲が終わったところで、やんやの拍手にこたえ、
「ウィリアム・テル」より「スイス軍の行進」をアンコール。
このだれもが予想しなかった演奏は、
大いに受けるとともに、会場全体が和んだような感じを受けた。
後半は、地方では滅多に聴けない、レスピーギのローマ三部作。
ありきたりの感想だが、色鮮やかなオーケストレーションは、
そう快きわまりない。
勢いにまかせている部分もあったが、
若い演奏家の集まり、それはそれで好感が持てる。
短い期間に130人あまりのメンバーを、
ここまでまとめてくるサンティの手腕はお見事というほかない。
休憩20分を含め2時間30分。
それでも、まったく疲れを感じない。
オーケストラの醍醐味を味あわせてもらった。
●ネッロ・サンティ指揮PMFオーケストラ
'05.8.2 愛知県芸術劇場コンサートホール
ロッシーニ/歌劇「セミラーミデ」序曲
ロッシーニ/歌劇「泥棒かささぎ」序曲
ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
(アンコール)
「ウィリアム・テル」より「スイス軍の行進」
(休憩)
レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」
レスピーギ/交響詩「ローマの松」
レスピーギ/交響詩「ローマの祭」
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