真夜中の5分前 Side-A , Side-B/本多孝好
本多孝好の作品を読むのは初めて。
16年度下半期の直木賞候補になったことや、
いくつかの文学賞を受賞したことで名前は知っていた。
「真夜中の5分前 Side-A 」と「真夜中の5分前 Side-B」は連作で、
それぞれ独立した作品としても読めなくはないが、
必ず両作品を読むべきだ。
実は私、間違えてSide-Bから読み始めた。
あとで気がつき、次にSide-Aを読み、再びSide-Bを読んだ。
主人公は大学生のときに恋人を交通事故で失って以来、恋愛不信が続く。
あるとき、一卵性双生児の「かすみ」と出会い、次第に引かれていく。
「かすみ」と姉妹の「ゆかり」は、超エリートの彼と婚約中。
ところが、双子であるがゆえの三角関係に陥る。
大きな痛手を受けているかすみと主人公は、
お互い慰め合ううちに親密な関係になっていく。
ここまでがSide-A。
Side-Bまでは約2年のブランクがあるので、
最初は別の作品のような印象を受ける。
そして2年の間に大きな事件が起きる。
この事件をきっかけに、
「かすみ」との幸福のまっただ中にいた主人公と、
「ゆかり」の彼「尾崎」の苦悩が始まる−
奥が深い作品ではないけど、とってもおもしろかった。
久しぶりに相性がぴったりの作品、作家に出会えた。
他の作品も読んでみようと思う。
タイトル、本の装幀も秀逸。
ということで、この連作、5段階評価で★★★★★
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Comments
『真夜中の5分前 sideA/sideB』読みました。
読み終えた時、東野圭吾の作品を読んだ時のような感じがしたのは、私だけでしょうか?彼の作品で最初に読んだのは『missing』でした。こちらも、お勧めします。
最近、乙一作の『暗いところで待ち合わせ』を読み夢中で読み切り、続けて彼の作品『死にぞこないの青』を読んでいます。機会があれば是非どうぞ・・・。
Posted by: hana | July 09, 2005 06:47 PM
hanaさん
ブログに書いたとおり、
なんか相性が合いそうな作家ですので、また読んでみます。
乙一、昨年評判だったZOOは、あまり感心しませんでした。
そのあとのGOHTはまあまあだったような。
私の読書メモをひもとくと、
前者が星2つ、後者が星4つでした。
hanaさんがおすすめであれば、読んでみますね。
Posted by: るうかす | July 10, 2005 12:03 AM