グッバイ、レーニン!(ヴォルフガング・ベッカー監督)
ぎふヨーロッパ映画祭で、ドイツ映画「グッバイ、レーニン!」を見た。
舞台は、ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ。
主人公のアレックスはテレビ修理店に勤める青年。
父は家族を捨て西側に亡命、その反動で母は社会主義にすべてを捧げる。
ある日、母は心臓発作で倒れてしまう。
8カ月の長い眠りから奇跡的に目覚めた母だが、
その間にベルリンの壁は崩壊し、ドイツは劇的に変化を遂げた。
せっかく意識を取り戻した母だが、
ショックを受けると危険だというので、
アレックスは母をだまし続ける。
そう、まだ東西ドイツは分裂したままであると・・・
悲劇的であり残酷でもあるのだが、
全体にコメディタッチで、見た後には心地よい感動が得られる。
エンディング、
きっと母は息子のウソに気がつき
東の崩壊を見抜いていたんだろうな。
そう考えると、最後のビデオの場面はさらに感慨深いものがある。
ほかにも印象に残る場面が多い映画だが、
東で宇宙飛行士だった国家の英雄が、
現実の社会ではタクシーの運転手となっていたが、
アレックスの頼みで国家主席として、母をだますビデオに登場する場面などは
絶品だと思う。
先日の「ベルンの奇蹟」に続いて、ドイツ映画の珠玉の名作に出会えた。
5段階評価は★★★★★
The comments to this entry are closed.
Comments