海を飛ぶ夢(アレハンドロ・アメナーバル監督)
本年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「海を飛ぶ夢」を見てきた。
実話をもとにした尊厳死を扱った映画、
暗い、難しいと思って覚悟していたのだが、
愛がテーマの美しい感動的な映画であった。
見終わったあとは胸がいっぱいになった。
肢体不自由で寝たきり、尊厳死を望むラモンを演じるのがハビエル・バルデム。
ラモンの弁護士で、後に愛を感じることになるフリア役がベレン・ルエダ。
三角関係となる工場勤めの女性ロサ役がロサ・ドゥエニャス。
ほかにも義姉、兄、甥、祖父、神父などが、ほんとうに素晴らしい演技。
ネタバレになるので詳しくは紹介しないが、
弁護士のフリアが、印刷された本と手紙をラモンに送るあたりから
物語は急展開する。
そしてラストシーン。
死を選んだものと、生を選んだものとの対比、
どちらが正しいのか、どちらが幸せなのか・・・
もちろん答えは出ない。
考えさせられるエンディングであった。
この映画で一番のシーン・・・
ラモンの魂が、不自由な肉体から離れ、
窓から森を抜けて海へ飛んでいく場面には、鳥肌が立った。
バックに流れるのは、
プッチーニのオペラ「トゥーランドット」から有名なアリア「誰も寝てはならない」。
ほかにもモーツァルトやワーグナーを使うなど、
この30代前半の監督、アレハンドロ・アメナーバルの
音楽センスは、なかなかのもの。
というわけで5段階評価は★★★★★
映画史に残る名作と、言い切ってしまおう。
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