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May 05, 2005

海を飛ぶ夢(アレハンドロ・アメナーバル監督)

umio


本年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「海を飛ぶ夢」を見てきた。
実話をもとにした尊厳死を扱った映画、
暗い、難しいと思って覚悟していたのだが、
愛がテーマの美しい感動的な映画であった。
見終わったあとは胸がいっぱいになった。

肢体不自由で寝たきり、尊厳死を望むラモンを演じるのがハビエル・バルデム。
ラモンの弁護士で、後に愛を感じることになるフリア役がベレン・ルエダ。
三角関係となる工場勤めの女性ロサ役がロサ・ドゥエニャス。
ほかにも義姉、兄、甥、祖父、神父などが、ほんとうに素晴らしい演技。

ネタバレになるので詳しくは紹介しないが、
弁護士のフリアが、印刷された本と手紙をラモンに送るあたりから
物語は急展開する。
そしてラストシーン。
死を選んだものと、生を選んだものとの対比、
どちらが正しいのか、どちらが幸せなのか・・・
もちろん答えは出ない。
考えさせられるエンディングであった。

この映画で一番のシーン・・・
ラモンの魂が、不自由な肉体から離れ、
窓から森を抜けて海へ飛んでいく場面には、鳥肌が立った。
バックに流れるのは、
プッチーニのオペラ「トゥーランドット」から有名なアリア「誰も寝てはならない」。
ほかにもモーツァルトやワーグナーを使うなど、
この30代前半の監督、アレハンドロ・アメナーバルの
音楽センスは、なかなかのもの。

というわけで5段階評価は★★★★★
映画史に残る名作と、言い切ってしまおう。

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