漢方小説/中島たい子
題名につられて手にした「漢方小説」。
中島たい子の作品を読むのは初めて、
というより名前すら知らなかった。
本業はシナリオライターということで、読ませ方は実にうまい。
おもしろかったかと聞かれれば、うん、おもしろかったと答える。
で、どんな内容だったかは、うまく説明できない。
読後の印象は薄いというのが、私の率直な感想。
でも、登場人物たちの生活は、かなりリアルに描写されており、
30歳代の独身女性が読むと等身大に感じられる小説なんだろうな、たぶん。
第28回すばる文学賞受賞作で、芥川賞候補にもなった。
余談だが、最近の芥川賞候補はタイトルだけ見ていても楽しい。
「人のセックスを笑うな」「野ブタ。をプロデュース」、
そしてこの「漢方小説」。
タイトルにつられて買ってしまった人は少なくないだろう。
中島たい子の筆力はなかなかのもの。
次回に期待するということで、5段階評価は甘めの★★★★
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