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May 30, 2005

コーラス(クリストフ・バラティエ監督)

chorus


フランスの片田舎にある全寮制の学校。
親を亡くした子や、素行に問題があり放り込まれた子など
問題児だらけのこの学校に赴任してきたのが、
失業中の音楽教師マチュ−。
彼は子どもたちに純粋な心を取り戻してもらおうと合唱の指導を始める。
次第に子どもたちにも変化が生まれてくる・・・

脚本の弱さが気になったが、
とにかく子どもたちの合唱が素晴らしい。
特にモランジュ役の男の子のボーイソプラノには心が洗われた。

ある事件があって、学校を追われていくマチュー。
そのラストシーンがいい。
静かな涙が頬をつたった。

映画では美しい合唱曲がたくさん流れる。
ラモーの「夜」や、
タイトルは分からないが、
マチューが学校を出ていくときに紙飛行機が飛ばされる場面で流れる合唱曲が
感動を増幅させてくれる。
このオリジナルサウンドトラックはぜひ欲しいと思った。

映画は、5段階評価で★★★★

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May 29, 2005

ATM強盗

一昨日、近くの銀行ATMが工事用のショベルカーで壊され、機械ごと盗まれた。
ところが昨日、40キロ離れた山中で発見され、
ATMの中にあった934万8千円のうち、
8万2千円が無くなっていた。
つまり現金のほとんどが盗まれなかったということだ。
どうして残されていたのかは、よく分からないらしい。

実はここ、妻の勤めている金融機関の支店の出張ATMで、
当日は早朝から連絡が入って大変だった。
こういった事件の場合、現金は保険に入っているので大丈夫だが、
ATMの機械はどうなるのだろう。
保険の対象なのだろうか。
結構高価なものには違いない。

ともあれ、わが家から一番近いATMが当分使えないのは、とっても不便だ。

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May 27, 2005

「愛・地球博」に行ってきた

spain_kan


すでに会期が3分の1過ぎてしまった愛知万博、こと「愛・地球博」。
仕事で今日、初めて会場に足を運んだ。

都合で会場に滞在できたのは約4時間。
広い会場を一周するだけで、あっという間に時間が過ぎてしまった。
そんなことだろうと思って、
今日はユニークなパビリオンの建築について注目しようと
片っ端から写真を撮ってきた。

もちろん今後も何度か訪れようと思っているので、
今日の感想を箇条書きにしてみた。

○「グローバル・ループ」により、目的地にたどり着くのが容易
 会場は広いが、この周遊路は便利
○パビリオンの人気・不人気が顕著
 企業館は2〜3時間待ちは当たり前
 整理券での予約システムをうまく利用すること
○平日は空いていると思ったら大きな間違い。小中高校生だらけ
 学生が帰った後、夕方以降はずいぶん空いてくると思われる
 ただし、人気パビリオンの整理券は、この時点では残っていない
○効率よく回るには、事前に綿密な計画を立てておく
○ペットボトルが持ち込めないと不評だが、会場内でほぼ定価で購入できる
 同じように、食事も選ばなければそれほど困ることはない
○携帯公式サイトは、混雑状況などが把握できてとても便利
 ただし、待ち時間は必ずしも信用できない。
 待ち時間0であっても、実際には10〜15分待つことは覚悟を
○キャラクターのモリゾーとキッコロ(もちろん着ぐるみ)は、会場内にはいない

私が今日見てきたパビリオンの建築ベスト3。
一番のお気に入りは「スペイン館」。
六角形のカラフルなレンガは実にうつくしい。
次に「長久手日本館」。
竹を編んだケージで包まれた独特のフォルムには目を奪われた。
そして圧倒的な「トヨタグループ館」は、
著名な建築家集団「みかんぐみ」によるもの。
解体・リユースを考えて鉄筋構造体を採用している。

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May 26, 2005

オオキンケイギクが満開

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近くの国営公園で、オオキンケイギクの黄色い花が満開となっている。
10年以上前から、この公園周辺の河川敷で増えはじめたもので、
今では、5月中旬から6月上旬にかけて、
黄色いじゅうたんを敷き詰めたように咲き乱れる。
それはそれは美しく、私のお気に入りの風景となっている。

ところがオオキンケイギク、
必ずしも好感を持たれているわけではない。
昨年10月25日の
「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」において
特定外来生物に指定すべき提案リストに挙げられている。
つまり河原の植物の生育環境を悪化させるので駆除すべき、というのだ。

理解はできるが、
一種の風物詩となっているのも事実で、
この風景を見て、不快感を持つ方はそれほどいないのではないか。
議論が分かれるところだが、
私は駆除するというのはどうかなと思う。

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もうボロボロ、ドラゴンズ

nagoya


ドラゴンズの応援のため、今季初めてナゴヤドームへ出掛けた。
ドームは、昨年の優勝を決めた試合以来。
うーん、あの感動が蘇る。

そして、対戦相手は東北楽天。
だれもが得点の山を期待するところであろう。
ところがどっこい、試合は2-6で逆転負け。
拙攻につぐ拙攻で、こちらはストレスがたまるばかりであった。

この試合のA級戦犯は森野。
3度も回ってきた満塁の好機に、
2三振、1ダブルプレイはないだろー。

セパの交流戦が始まる前までは、
首位を独走していたドラゴンズ。
このままだと、暑いうち(8月)に優勝が決まってしまうのではと
あらぬ心配までしていた。
それがどうだ、3位に転落、貯金もたった2つになってしまった。

これで「ペナントレースがおもしろくなったね」なんて
強がりのひとつでも言いたいところだが、
そんなことを言ってる場合じゃないね、今は。
ドラゴンズ、非常事態宣言!

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May 24, 2005

またまた、ペンギンの看板

koen


とある公園の公衆トイレで用を足しているとき、
目に入ったのが、壁に貼ってあるペンギンの看板。

「きれいにお使いいただき、ありがとうございます」と、
ペンギンからお礼を言われても、特にうれしくはない。
しかも、もじもじしながら、うつむき加減で、冷や汗をかいている。

な、なんだ、こいつ!
と、思いながらも、結構気に入ったため、ブログで紹介。

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May 22, 2005

フェニーチェ歌劇場「椿姫」

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愛・地球博の記念で、名古屋公演が行われたフェニーチェ歌劇場。
演目はヴェルディの「椿姫」。
刺激的で官能的な舞台に参った。
まずは演出のロバート・カーセンにブラボー、
次にヴィオレッタを歌ったパトリツィア・チョーフィにブラヴァー!

カーセン演出のオペラは今回で3本目。
どれも高感度の素晴らしい舞台であった。
初めて彼の演出に触れたのは、
サイトウキネンフェスでのヤナーチェク「イエヌーファ」。
ラストで大雨を降らせたのには驚いた。
もちろんホールでの公演である。
2本目は小澤音楽塾でのプッチーニ「ラ・ボエーム」。
シンプルながらもアイデア豊かで、
時に官能的な舞台にほれぼれとした。

そして今回の「椿姫」。
時代背景を現代に設定し
ヴィオレッタは娼婦、アルフレードは若手カメラマン、
舞踏会の場面も怪しげなパーティとなっている。

前奏曲が始まるとすぐに幕が上がり、
ヴィオレッタがなまめかしい黒の下着姿でベッドに横たわっている。
そして男性が次々に登場し、彼女に札束を渡すところから物語は始まる。

第1幕はヴィオレッタの部屋でのパーティ場面。
部屋には森林の絵が飾ってある。
これが後で、伏線となってくる。
登場人物はジーンズやTシャツなどカジュアルな服装が多い。

第2幕第1場は郊外に住むヴィオレッタの部屋の設定であるはずが
森林の中のようだ。
でもじっくり見ると、第1幕の森林の絵と同じ。
さらには落ち葉のように見えるのは、何とお札。

第2場は、またパーティの場面。
Tバックのダンサーが出てきたり、
ミラーボールが回っていたりして、いかにも怪しげな雰囲気。

第3幕は、第1幕と同じヴィオレッタの部屋だが、
雰囲気は全然違っている。
ベッドがなくなり、窓には分厚いカーテンが。
鉄パイプの足場やペンキ、刷毛などが置いてある。

謝肉祭の歌が聞こえてくると、数人が部屋に侵入してきて、
カーテンをはぎ取ると見えるのは、色がはげた森林の絵。

最後、ヴィオレッタの臨終の場面、
悲しみにひたる間もなく、
数人の作業員が舞台に登場し、部屋の片づけを始める。
ここで幕。

以上がおおまかなカーセンの演出。
ポイントは「お札」「森林」か。

さて、ヴィオレッタ役のチョーフィ、
たしかな技術で3幕を歌い切った。
ビジュアルも悪くない。
黒のガーターベルト姿が艶めかしかった。

歌手は、アルフレード役のサッカ、
パパ・ジェルモン役のシュレーダーなど、
だれもが標準以上の出来で、安心して聴けた。

今回の舞台は1853年、フェニーチェ初演版ということで、
聴き慣れないフレーズが出てきたり、
しつこいくらいリピートがあったりと、ちょっと違和感を持った。
今後、まず見ることはないだろうから、その点では貴重な体験であった。

●フェニーチェ歌劇場・名古屋公演2005
'05.5.19 愛知県芸術劇場大ホール

ヴェルディ:歌劇「椿姫」(1853年フェニーチェ座初演版)

演出:ロバート・カーセン
ヴィオレッタ:パトリツィア・チョーフィ(ソプラノ)
アルフレード:ロベルト・サッカ(テノール)
ジェルモン:アンドリュー・シュレーダー(バリトン) ほか

マウリツィオ・ベニーニ指揮フェニーチェ歌劇場管弦楽団・合唱団

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May 21, 2005

錦城の四川担々麺(カップ麺)

kinjo


名古屋の四川料理の名店「錦城(きんじょう)」。
どのメニューもおいしいが、特におすすめは担々麺。
これを食べずに、店を出るわけにいかない。
そのカップ麺をコンビニで見つけた。

辣油がとにかく辛い、でもほのかな甘みがなんとも言えない。
芝麻醤と肉そぼろはたっぷりで、なかなかの味だ。
これならわざわざ店に行かなくても、その味を堪能できる。

即席麺もあるらしいが、私は確認したことがない。

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May 19, 2005

自転車を購入

折りたたみ自転車を買った。
もちろん私物だが、今週末の仕事で自転車が必要になったので
急きょ、イオンに行ってきた。

イオンは今、自転車販売台数では日本一なのだそうだ。
たしかに、「トップバリュ」シリーズは、
品数も豊富で、値段の割にはしっかりとしたつくり、
しかもリーズナブルである。
例えば、コンパクトな折りたたみ自転車は
8,000円台からのラインナップとなっている。
ネットで確認して、車種を決めて行ったのだが、
店頭で、ほかの自転車に目移りしてしまい、
結局、米国JEEP社にした。
少々高めだが、まあまあ満足している。

この週末が乗り初めになる。
とは言っても、仕事に使うのだが・・・

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May 18, 2005

謎の“ピアニスト”

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英国で謎のピアニストが話題を呼んでいるという。
以下、新聞から。

「先月初め、イギリス南東部で若い男性が保護されたが、
ピアノの腕が抜群という以外に身元につながる手掛かりがなく、謎を呼んでいる。
この男性は先月7日、イギリス南東部沿岸の町・シアネスで、
ずぶぬれでさまよっているところを保護された。
年齢は20代から30代前半とみられているが、
極端なうつ状態に陥っていて、一言も話さないという。
病院の職員が紙と筆記用具を渡すと、
グランドピアノの絵を詳細に描いたため、ピアノの前に座らせてみたところ、
クラシックの曲を見事に演奏したという。
今のところピアノの腕がプロ級ということ以外は不明で、
病院では男性の写真を公開するなどして身元に関する情報を求めている」

これに似たようなストーリーの映画があったような・・・
オーストラリア出身の現役ピアニスト、
デヴィッド・ヘルフゴットの半生を映画化した「シャイン」(スコット・ヒックス監督)。
主役のジェフリー・ラッシュがオスカーを獲得した、なかなかの名作だ。

さて今後の展開だが、
映画のようにドラマチックなエンディングが用意されているのだろうか。
不謹慎だが、話が出来すぎていて、
“やらせ”に見えてしまうのは、私だけではないはず。

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May 16, 2005

本名徹次指揮芦屋交響楽団 第63回定期演奏会

ashiya


「アマオケの神髄を見た」と私が大絶賛した
芦屋交響楽団の前回の演奏会。
期待を胸に、第63回定期を聴くためシンフォニーホールへ足を運んだ。
今回も期待に違わぬ熱演を聴かせてくれた。

玄人向けプログラムは、集客にどう影響を与えるだろうかと少々不安であった。
単刀直入にいえば、お客入らないんじゃないの、と。
しかしこの日のシンフォニーホールは、ほぼ満席。
このオケの集客力は大したものだ。

さて演奏。
ショスタコーヴィッチの15番を生で聴くのは初めて。
有名なロッシーニやワーグナーの旋律を引用するなど
ユニークでアイロニーに富んだ曲、というのがCDを聴いた感想。
生だとずいぶんイメージが違うものだ。
4楽章の天にも昇るような不思議な静寂など、
CDでは分からなかった。

各楽器のソロが多いのもこの曲の特徴だろう。
チェロやトロンボーンなど、はらはらしながら聴いたが
そつなくこなしていたのはさすが。

休憩後は、2曲のアンコールまで、オール芥川也寸志プログラム。
オルガンとオーケストラのための「響」はサントリーホールの委嘱作品。
CDもなく、生ではめったに聴ける曲ではない。
オルガンが全面に出て大迫力、聴きごたえ十分だった。

交響曲第1番、これも初めて聴く。
プロコフィエフなどロシアの作曲家の影響が色濃い曲。
芦響の演奏は、パワーは十分あるものの、少々大ざっぱな印象。
もちろんアマオケに、多くを求めるのは酷なことだが、
その実力を評価しているからこそ辛口になってしまう。

今まで食わず嫌いであった日本の作曲家、
これを機に、いろいろ聴いてみようかという気になった。
まずは芥川也寸志の作品から。
目を開かせてくれた芦響に感謝。

●芦屋交響楽団第63回定期演奏会
'05.5.7 ザ・シンフォニーホール
指揮:本名徹次
オルガン:片桐聖子

ショスタコーヴィッチ:交響曲第15番
(休憩)
芥川也寸志:オルガンとオーケストラのための「響」
芥川也寸志:交響曲第1番
(encole)
芥川也寸志:赤穂浪士
芥川也寸志:交響管弦楽のための音楽より第2楽章

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May 15, 2005

20年ぶりのテニス

20年ぶりにテニスをした。
まず困ったのは着るもの。
何も持ってないので、Tシャツにジャージ姿。
さらには、ラケットも20年前のものだから使えない。
これは貸してもらうことにした。

早急にウェアとラケットを買う必要がある。
最近はどのブランドが人気なんだろう。
ナイキ、アディダス、エレッセ、あるいはラルフ・ローレン。
近いうちにショップをのぞいてこよう。

今日は2時間ほど軽く打っただけなのに、全身が筋肉痛。
ストレッチは十分しておいたが、やはり運動不足は歴然。
今夜は湿布を貼って寝ることにしよう。

20代のころは、週末ともなるとクラブに足繁く通い
ボールを追っかけていた。
あのころを思い出して、とても懐かしかった。
無理をしない程度に、これからも続けていこうと思っている。

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May 14, 2005

グランド・フィナーレ/阿部和重

grandfinale


何かが起こりかけたところで、ぷつんと終わってしまうのが、
阿部和重の作品の特徴だろうか。
それを不愉快に思うか、あるいは創造力をかき立てられると思うかで、
作品の評価は大きくかわってくる。

「グランド・フィナーレ」は第132回芥川賞受賞作。
主人公は妻子ある男性でロリコン。
その性癖が実の娘にも及び、妻は娘を連れて出ていってしまった。
家族だけでなく、仕事も友人も失い、故郷へ帰ることになる。
すべてを失った主人公は再生できるのかどうか、明快なフィナーレはない。
題名は、あまりにも逆説的だ。

表題作もいいが、私は短編の「馬小屋の乙女」が気に入った。
しかしこの作品、女性にはどう評価されるのだろうか。
「しびれふぐ」・・・
これが理解できるかどうかが分かれ目である。
女性の多くは知らないと思う、たぶん。

単行本としての5段階評価は★★★★
個別に評価するなら「馬小屋の乙女」が★★★★★だな。

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故郷の香り(フォ・ジェンチイ監督)

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「かなわなかった初恋から10年、再会した二人のせつない運命を描く」
このキャッチコピーが、この映画の内容を実にうまく表している。

主な登場人物は3人。
生まれつき言葉が不自由なヤーバの役、香川照之の演技には脱帽。
そしてヤーバの妻で、主人公ジンハーの初恋の相手でもあった
ヌアン役がリー・ジア。
美しい女優だ。
名前を覚えておこう。

この映画の一番の素晴らしさは、舞台である山村の風景。
今はもうほとんど見られなくなった日本の原風景がここにはある。
大げさでなく、風景だけ見ていても十分楽しめる。

5段階評価は★★★★

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May 13, 2005

犯人はいまだ逃走中

職場から帰宅途中、幹線道路でずいぶん多くのパトカーを見た。
事件でもあったのかと思って、
帰宅後、テレビのニュースで確認したら、
県内で警察官から拳銃を奪った男2人が逃走中だとのこと。

現場から私の自宅までは離れているので、
それほど注意をする必要はないだろうが
現場近くでは、外出禁止令が出ているらしい。
拳銃には実弾が3、4発残っている。
大きな事件にならなければいいのだが・・・
やっぱり、施錠をもう一度確認してから寝ることにしよう。

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May 11, 2005

「自然をめぐる千年の旅−山水から風景へ−」

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愛・地球博にあわせて開催された
愛知県美術館の展示会「自然をめぐる千年の旅−山水から風景へ−」。
古代から近代まで、千年以上にわたる日本人と自然との関わりを、
日本美術の名品によってたどるもので、
国宝と重文約70点を含む名品が160も集められた。
見応えのある展示には大満足した。

一番目を奪われたのは、近代の作品で川合玉堂の「行く春」
屏風6曲1双の大作には圧倒的な存在感があった。
桜と川と小舟が描かれているが、
桜の散る様子や川の流れなどがリアルで、とても動きを感じた。
東京国立近代美術館蔵の重文。
ぜひまた見に行きたいと思う。

あとで知ったのだが、
今回の展示会は、前半と後半で、作品の入れ換えがあった。
私が鑑賞したのは、期間終了の直前、
前半のみ展示の作品は見ることができなかった。
もう少し早く気づいていれば、あと何回かは通ったのに、
と、今さらながら後悔。

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May 10, 2005

「シュテハン・バルケンホール」展

balkenhol03


国立国際美術館(大阪・中之島)で始まったばかりの
「シュテハン・バルケンホール」展を観るため大阪へ。
1957年生まれのドイツの現代彫刻家で、
日本での個展は初めてとのこと。
私もまったく知らなかったが、
ネットで彼の作品を見つけ一目惚れした。

題材にしているのは、ほとんどが人物か動物、
人と動物を合体させたものもある。
さまざまな木材を荒く削って、
ナチュラルな色付けがなされている。
そのため、無機質な表情ばかりであるのに、
独特の温かみを感じる。
抽象的な要素が多い現代アートだが、
彼の作品は具象的で、分かりやすく、安堵感を覚える。

訪れた5月7日は、ギャラリートークの日。
1時間以上にわたり、担当学芸員の話を聞くことが出来、
さらに理解が深まった。
他の人の見方、感想を聞くのは楽しいものだ。
それが専門家であれば、なおのこと。

国立国際美術館では7月18日まで開催され、
10月15日からは、初台のオペラシティ・アートギャラリーに巡回。
たぶん首都圏では大変な話題になるのではないか。

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May 09, 2005

明日の記憶/荻原浩

asuno


「明日の記憶」は、
治る見込みのない難病、若年性アルツハイマーにおかされた
中年会社員の生きざまを描いた小説。
恐い、人ごととは思えない・・・
私のような昭和30年代以前に生まれたものは
特にそう感じるであろう。

ラストシーンは感動的だ。
しかし見方を変えると、ご都合主義。
冷静に考えれば考えるほど、主人公本人や家族の将来は真っ暗。
「小説でよかった!」
読後、目を真っ赤にしながら、しみじみそう思った。

5段階評価は迷ってしまう。
多くの中年会社員に読んでもらいたいという願いを込めて★★★★

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May 08, 2005

PLUTO(02)/浦沢直樹

pluto02


手塚治虫の傑作「アトム/地上最大のロボット」のリメイク版
「PLUTO」の単行本第2巻が発行された。

アトムや御茶ノ水博士、ウランちゃんも登場し、
主役クラスがそろってきた。
早くも第3巻がが待ち遠しい。

ところで今回も1巻と同じく豪華版を購入したのだが、
マーブルチョコ(箱だけ)とステッカー付きで1,500円は高すぎる。
1巻ではアトムの原作が付いていて、安いくらいであった。
それに比べるとあまりに情けない。
3巻の豪華版は付録なしでいい、
そのかわり1,000円以下で発行してほしい。

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May 07, 2005

漢方小説/中島たい子

kanpou


題名につられて手にした「漢方小説」。
中島たい子の作品を読むのは初めて、
というより名前すら知らなかった。
本業はシナリオライターということで、読ませ方は実にうまい。

おもしろかったかと聞かれれば、うん、おもしろかったと答える。
で、どんな内容だったかは、うまく説明できない。
読後の印象は薄いというのが、私の率直な感想。
でも、登場人物たちの生活は、かなりリアルに描写されており、
30歳代の独身女性が読むと等身大に感じられる小説なんだろうな、たぶん。

第28回すばる文学賞受賞作で、芥川賞候補にもなった。
余談だが、最近の芥川賞候補はタイトルだけ見ていても楽しい。
「人のセックスを笑うな」「野ブタ。をプロデュース」、
そしてこの「漢方小説」。
タイトルにつられて買ってしまった人は少なくないだろう。

中島たい子の筆力はなかなかのもの。
次回に期待するということで、5段階評価は甘めの★★★★

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May 06, 2005

珈琲歌劇(旧軽井沢)

karuizawa_cafe


旧軽井沢のロータリー近くにあるコーヒー専門店「珈琲歌劇」。
その名前につられて入ってみた。

「コーヒー・かげき」ではなく「カフェ・オペラ」なのだそうだ。
古い建物は、もともと芦屋市にあった洋館を移築したもの。
歴史を感じさせる落ち着いた外観だ。

中は中世ヨーロッパのイメージで、
アンティークな調度品が並べられている。
カップ類はすべてロイヤルコペンハーゲンで統一、
オーナーのこだわりが感じられる。
ブレンドコーヒーはポットサービス、3杯は飲める。
味は濃いめで、酸味も強かった。
ケーキは手作りとのことだが、
私の食べたベイクド・チーズケーキは、あまりおすすめできない。

●珈琲歌劇
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢12-7
tel : 0267-42-7833

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May 05, 2005

海を飛ぶ夢(アレハンドロ・アメナーバル監督)

umio


本年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「海を飛ぶ夢」を見てきた。
実話をもとにした尊厳死を扱った映画、
暗い、難しいと思って覚悟していたのだが、
愛がテーマの美しい感動的な映画であった。
見終わったあとは胸がいっぱいになった。

肢体不自由で寝たきり、尊厳死を望むラモンを演じるのがハビエル・バルデム。
ラモンの弁護士で、後に愛を感じることになるフリア役がベレン・ルエダ。
三角関係となる工場勤めの女性ロサ役がロサ・ドゥエニャス。
ほかにも義姉、兄、甥、祖父、神父などが、ほんとうに素晴らしい演技。

ネタバレになるので詳しくは紹介しないが、
弁護士のフリアが、印刷された本と手紙をラモンに送るあたりから
物語は急展開する。
そしてラストシーン。
死を選んだものと、生を選んだものとの対比、
どちらが正しいのか、どちらが幸せなのか・・・
もちろん答えは出ない。
考えさせられるエンディングであった。

この映画で一番のシーン・・・
ラモンの魂が、不自由な肉体から離れ、
窓から森を抜けて海へ飛んでいく場面には、鳥肌が立った。
バックに流れるのは、
プッチーニのオペラ「トゥーランドット」から有名なアリア「誰も寝てはならない」。
ほかにもモーツァルトやワーグナーを使うなど、
この30代前半の監督、アレハンドロ・アメナーバルの
音楽センスは、なかなかのもの。

というわけで5段階評価は★★★★★
映画史に残る名作と、言い切ってしまおう。

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ホテル鹿島ノ森(軽井沢)

kazima


GWの軽井沢でのリゾート、
今回利用したのは「ホテル鹿島ノ森」。
旧軽井沢の閑静な別荘地の中に建つ名門ホテルで、
いつかは泊まりたいと思っていたのが、今回やっと実現した。

建物は2階建て、地味な外観で道路からあまり目立たず、
周りの環境との一体感を感じる。
緑豊かな1万坪の敷地に、客室がたった50室というのもぜいたくな話だ。

建物自体はずいぶん古いとのことだが、
2年前にリニューアルされており、
部屋の設備は最新のものとなっている。
白と茶系統の配色で統一されたシンプルな室内は、
実に品が良く快適。

サービスに関しては大満足。
ホスピタリティはさすがホテルオークラ系といえる。
メインダイニングでの料理の水準も特上。

私にとっては、リゾートホテルの理想、
それがこの「ホテル鹿島ノ森」である。
次回、この地を訪れるときも、間違いなくここを選ぶだろう。

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May 04, 2005

ミョンフン&東フィル(大賀ホール・オープニング公演)

ooga03

軽井沢大賀ホールのオープニングを飾ったのが
チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団。
プログラムは、ベートーヴェン交響曲第6番、第3番。
一昨年、ベートーヴェン・チクルスで大成功をおさめた
ミョンフン&東フィルにとっては、まさに十八番といえよう。

今回もミョンフンの指揮は、緻密かつ大胆。
オケを自在にコントロールし、
緊張感のある立派な演奏を聴かせてくれた。
木管のソロは、ほぼ完ぺきな出来、
弦もまとまりのある重厚な音を醸し出し、安心して聴くことが出来た。
6番でのホルンはちょっと不安定で心配したが、
3番では堂々と鳴り響いていた。

終演後は、ブラボーの声が飛び交い、
ミョンフンは受け取った花束を抱えてステージを下り、
正面ボックス席の大賀氏の奥さまに贈呈。
このときは、聴衆の多くがスタンディングオベーションで
二人に感謝の拍手を送った。
オープニングにふさわしい情景であった。

●チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団
'05.4.30 軽井沢大賀ホール(長野県軽井沢町)

ベートーヴェン/交響曲第6番
(休憩)
ベートーヴェン/交響曲第3番

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May 03, 2005

軽井沢大賀ホールが竣工

ooga

軽井沢駅の北、矢ヶ崎公園の一角に完成した「軽井沢大賀ホール」。
元ソニー会長の大賀典雄氏が退職金で建設し、軽井沢町に寄贈したもの。
そのオープニングコンサートに出かけてきた。

まずはこのホールの特徴。
1階が660席、2階が140席の計800席というキャパシティ。
外観も内部の構造も五角形なのがユニーク。
五角形の一辺がステージになっており、
正面の少し低い位置に平土間の席、それを取り囲むようにボックス席、
ここまでが1階部分。
2階はすべてバルコニーの立ち見席。
とは言え、座れるようにバーが設置してあるので、
聴くにはまったく苦痛を感じないのではないか。
むしろ、音響は平土間の席より良いような気がする。

ホール内やロビーなど、それほどお金は掛けてはいないが、
すっきりとしたデザインで好感が持てる。
特にロビーは全面ガラス張りで、広々とした公園が望める。

オープニングコンサートは、
チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団。
東フィルは大賀氏が理事長を務めているオケだけあって、
素晴らしい熱演であった。

詳しくは次回に。

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