
夜を通して80キロを歩くという、ある高校の一大イベント「歩行祭」。
その一晩の出来事を描いた青春小説である
登場する高校生たちの心の描写が実に巧み。
読みながら、あたかも歩行祭に参加しているかのように感情移入していった。
それそれの思い、悩みは、
大人の私たちからすると大したことではないのだが、
彼ら、彼女らには、それはそれで深刻な、真剣なことなのだ。
全巻読み終えて、ふと、高校時代の自分に戻っている自分に気づいた。
恩田陸の作品にしては異色。
しかしこれからも、ずっと読み継がれていくであろう青春小説の傑作。
今年の「2005年本屋大賞」を受賞。
5段階評価で★★★★
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