大植英次=大阪フィル岐阜定期
大植英次率いる大阪フィルの岐阜定期演奏会を聴きに
岐阜市のサラマンカホールへ。
今までの大フィルは、肝心なところで音を外したり(特に金管)、
出だしが大きくずれていたりと、
とてもプロオケとは思えないような演奏が何度もあった。
朝比奈隆が亡くなり、低迷の後、2年前から大植英次が常任指揮者に。
大植の指揮で聴くのは初めてだが、
とても音の締まった、統率力のとれたいいオケになったと感じた。
まずはヴィヴァルディの「四季」
ソロは長原幸太。
この若き首席ヴァイオリニストが、
大植英次と息の合った演奏を聴かせてくれた。
技術的に荒いところもあるが、
こんなにわくわくさせてくれる演奏家、国内にはそんなにいない。
これからも注目したい。
スリリングな演奏に終演後、惜しみない拍手が送られ、
定期演奏会には珍しく、アンコール曲としてバッハが演奏された。
メインのベートーヴェン第4番。
大植はベートーヴェンを得意としているのだろう。
テンポを巧みに揺らしながらの演奏からは、大いなる自信がうかがえた。
力ずくで引っ張っていく大植に必死についていく大フィル。
キズがないわけではないが、緊張感は最後まで保たれた。
いつの間に、こんな機能的なオケに変身したのだろう。
大植のトレーナーとしての能力は本物だ。
ベートーヴェンの後でもアンコールが演奏された。
大植は米国在住期間が長いだけあって、
こういったサービス精神は旺盛だ。
大植=大フィルを、当分追っかけていこうと思う。
まだまだ変化を遂げるのはこれから、そんな予感がする。
ひとつの指標となるのが、今秋のマーラー3番であろう。
絶対に聞き逃せない。
●大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団 岐阜定期演奏会
'05.3.26 サラマンカホール(岐阜市)
ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意への試み」より「四季」
長原幸太(Vn)
(encore)
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より「サラバンド」
(休憩)
ベートーヴェン/交響曲第4番
(encore)
J.シュトラウス/ピチカート・ポルカ
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Comments
はじめまして。岐阜のお店をいろいろクリックしてるうちにこちらにたどり着きました
こちらのプログは、いろいろなところに話題がまたがっていて、とてもおもしろいですね。読みやすいです。
結婚前はいろんなコンサートを聞きにいってましたので、クラシックの話を見ていると、また行きたくなってしまいました。
大フィルはもともとムラのあるオケかも・・・。
指揮者によって、けっこう変わるとこあります。緊張感があるといい演奏をするというあたりも・・・るぅかすさん、さすがですね。
金管にミスが多いというのも、鋭い!(笑 ) ホルンとトロンボーンにいます・・・常習犯。(こんな言い方していいのかしら?)
もう4~5年前から聞きにいってないのですが、かわってないみたいですね~。一軍、2軍というのもあるような気がします。
朝比奈さんの定期演奏会の時が一番良い演奏をしていたかもしれませんね。
なにしろ、厳格な方だったそうですから。
ソプラノのソリストさんが、ゲネプロの時紫の衣装を着ていたところ、それは下品な色だと叱られて、急遽別の衣装をとりに戻ったそうですよー、
そんなこと言える指揮者なんて、めったにいませんよね。日本では。
大植英次さんという方があたらしい常任指揮者になったんですか。
るうかすさんのプログを読んでぜひ聴いてみたくなりました。
Posted by: かのん | May 06, 2005 05:06 PM
かのんさん、こんにちは。
大植英次は、大フィルの音を根本から変えつつあります。
私は聴いていませんが、
東京初お目見えとなったサントリーホールでの「悲劇的」は
大絶賛されています。
これからの活躍に期待していいと思いますよ。
9月の定期はマーラー第3番。
行きたいのはやまやまですが、サイトウキネン・フェスと重なっています。
今日は松本、明日は大阪、なんてことになりそうです。
Posted by: るうかす | May 07, 2005 12:05 AM
It is in reality a great and useful piece of information. I'm glad that you just shared this helpful information with us. Please keep us informed like this. Thanks for sharing.
Posted by: create your own tee shirt | September 21, 2015 04:55 AM