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December 10, 2004

ベレゾフスキー・ピアノ・リサイタル

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世界にはまだ、
こんなピアニストがいるんだ!
その神業とも思えるテクニックに
圧倒されっぱなしだった、
ベレゾフスキーのピアノ・リサイタル。

●ボリス・ベレゾフスキー・ピアノ・リサイタル
'04年12月4日(土)サラマンカホール(岐阜市)
・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
(休憩)
ショパン:練習曲集&ゴドフスキー:ショパンの練習曲に基づく53の練習曲より
・ショパン:練習曲 ハ長調Op.10-1
・ゴドフスキー:練習曲第1番 ハ長調
・ショパン:練習曲 イ短調Op.10-2
・ゴドフスキー:練習曲第4番 イ短調「狐火」
・ショパン:練習曲 嬰ハ短調Op.10-4
・ゴドフスキー:練習曲第6番 嬰ハ短調(左手のための)
・ショパン:練習曲 変ト長調Op.10-5「黒鍵」
・ゴドフスキー:練習曲第8番 ハ長調「白鍵上の」
・ゴドフスキー:練習曲第9番 イ短調「タランテラ」
・ショパン:練習曲 変ホ短調Op.10-6
・ゴドフスキー:練習曲第13番 変ホ短調(左手のための)
・ショパン:練習曲 ホ短調Op.25-5
・ゴドフスキー:練習曲第34番 嬰ハ短調「マズルカ」
・ショパン:練習曲 ハ短調Op.10-12「革命」
・ゴドフスキー:練習曲第22番 嬰ハ短調(左手のための)
・ゴドフスキー:練習曲第47番 変ト長調「冗談」
・ゴドフスキー:練習曲第48番 へ長調
(アンコール)
・ ショパン/ゴドフスキー編:子犬のワルツ
・ ラヴェル/ゴドフスキー編:ラ・ヴァルス

プログラムがすごいと思う。
前プロが展覧会の絵、普通ならメインに持ってくる曲。
それを最初に演奏し、しかもやすやすと弾いてしまう。
休憩後のプログラムは
ショパンの練習曲と、ゴドフスキーがその曲を編曲した曲を
交互に演奏するという意欲的なもの。
このゴドフスキー編曲というのがとんでもない難曲ばかり。
ピアニスト泣かせで、滅多に演奏されず、CDもほとんど出ていない。
例えば、ゴドフスキーは、有名な革命エチュードを
左手だけで演奏するよう編曲した。
ベレゾフスキーはテクニックに自信があるのだろう。
難曲の数々をほとんど完ぺきに演奏した。
お見事というほかない。

圧巻はアンコールの2曲目。
ラヴェルの有名な管弦楽曲「ラ・ヴァルス」のゴドノフスキー編曲版。
原曲にほぼ忠実で、10分以上かけて演奏した。
満場の拍手は長く鳴りやむことがなかった。

ただ、これは不思議なことだが、
じゃあ感動したかと問われると、そうでもない。
うまく表現できないが、
すごいなと感心はした、でも感動はそれほどなかった。
スリリングで、まるでサーカスを見ているようだったけど、
早く弾けるからどうだっていうの? なんて妙に冷めた気分にもなった。
そんなリサイタルだった。

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Comments

私も同じ会場にいましたよ。
難しい曲ばかりで、もう何がすごいんだか判らなくなってしまいますよね。
ところで、左手の革命のあたりで、妙に息が荒いお客さんがいませんでしたか?
ちょっとびっくりしました。

Posted by: べれぞふすきー | December 19, 2004 12:39 AM

べれぞふすきーさん、コメントありがとうございます。

私は前から6列目の、向かって左側にいました。
ピアニストの指使いがよく見える位置です。
ここでは、息づかいの荒い方、わかりませんでした。

まあ、あの演奏を聴かされたら、
いびきをかいて寝る人はまずいないでしょうねえ。
それくらいスリリングでした。

Posted by: るうかす | December 19, 2004 01:07 AM

私は1列目の左寄りで、手を凝視してました。やはり前の方の列にはやはりマニア然とした方がいて、お客のリアクションに圧倒されてました。
去年はキャスリーン・バトルも来たし、来年もいいのをやるといいなぁとサラマンカに密かに期待しています。

Posted by: べれぞふすきい | December 19, 2004 08:30 AM

サラマンカホールでの公演は、オケは小編成だけにして、
こうしたピアニストや室内楽に特化した企画を立ててほしいと思います。
私は昨年のツィメルマンのリサイタルが、もっとも心に残っています。
あれだけのピアニストを小さなホールで聴くことができるなんて、
こんな幸せなことはありません。
地方の特権かもしれません。
ちなみにチケット代もサントリーホールの半額くらいだったかな。

そういえば終演後、楽屋口でツィメルマンを待っていたら、
チャイコフスキーコンクール優勝の上原彩子ちゃんもいました。

Posted by: るうかす | December 19, 2004 09:36 PM

しまった!ツィメルマンは聞きそびれてしまいました。惜しいことしました。
あれ?楽屋口に張り込んだりできるんですか?それともホール関係者の方なんでしょうか。
「彩子サマ」なんで岐阜県にいるんでしょうね。不思議ですね。
彼女がコンクールで優勝する前、岐阜でコンサートに行くと、よく音楽専門の学生の方が「彩子様が…」といううわさ話をしていて、扱いの格の違いを実感しました。

Posted by: べれぞふすきい | December 21, 2004 03:55 AM

どんな公演でも、楽屋口に行けば、
顔くらいは見られますよ。
彩子ちゃんはちょうどこの時期、帰国していたみたいです。
最近は年に3、4回帰国して、
オケとの共演や、リサイタルで活躍しています。
先日のNHK交響楽団との共演は聴きたかったな。
年明けには名古屋でリサイタルがあります。

Posted by: るうかす | December 22, 2004 08:34 AM

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