魔女の息子/伏見憲明
伏見憲明は早い時期にカミングアウトした、
日本のゲイ・ムーブメントの先駆者として有名。
その彼の処女長編小説が「魔女の息子」。
10年以上前、斎藤綾子との共著「快楽の技術」を興味本位で読んだ。
このころは、この手の本を手にすることさえも恥ずかしかった。
内容はといえば、知らない世界をかいま見たというだけで、
何も感じるものはなかった。
私とは別の世界にいる人たちのことなんだと、
客観的な印象を持っただけだった。
今でも同性愛を描いた作品は苦手だ。
主人公であるゲイのフリーライター和紀は、明らかに著者自身。
ゲイバーのママや、大学教授との恋に破れる40代の女性編集者など、
ユニークな登場人物がいないでもないが、作品としては平凡。
ゲイの性行為がリアルで、これは大変勉強になった。
勉強したからといって、どうってことないのだが(笑)
第40回文藝賞受賞。
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