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October 11, 2004

岐阜県内の円空仏を見て回る

1カ月ほど前、福岡の友人から数年ぶりに連絡があった。
円空仏を見たいから、1日かけて岐阜県内を案内せよとのこと。
円空は江戸時代、諸国を遊行し、
その生涯に12万体もの仏像を彫ったと言われる遊行僧だが、
謎に包まれている部分も多い。
岐阜県には円空にまつわる史跡や、円空の彫った仏像「円空仏」が数多く残されている。

今日がその日、
9時20分に新幹線の岐阜羽島駅で待ち合わせ、
高速を走らせて郡上市美並へ。
円空生誕の地は、この美並と羽島の二説があるが、
どうも羽島説が有力らしい。
それはともかく、まずは円空研究センターへ行き、基礎知識を学んだ。
初心者でもよくわかるようディスプレイにも工夫がしてあるのがありがたい。
そして、美並粥川の円空ふるさと館へ。
初期から晩年期にかけて彫られた円空仏約90体が展示されており、
なかなか見応えがある。

美並から南に走り関市へ。
ちょうどお昼どきになったので、辻屋でうなき丼を食べた。
関市にはうなぎのおいしい店が何軒もあるが、
私は昔からここが一番好きだ。
友人にも喜んでもらえた。

腹ごしらえをした後は、市内の円空館へ。
ところが月曜休館ということで中には入れなかった。
祝日なのだから開けてほしいものだ。
近くに円空の墓があったので、こちらは訪れた。
生誕の地は分かってないが、お墓はここで間違いないようだ。

次に高速を走らせ羽島市へ。
まずは中観音堂。
ここには17体を見ることができた。
どれも大きなものばかりで、しかも保存状態がとてもよい。
特に本尊の十一面観音像と大黒天には目を奪われた。
円空資料館も併設していて、
入館すると案内のおじさんが出てきた。
福岡から来たと話したら、懇切ていねいに説明をしてくれた。
円空の研究でも有名な梅原猛先生が昨日、ここを訪れる予定だったが
台風の影響で中止になったとこのと。
聞くと梅原先生は、今までに何度もここに来ているという。

次にすぐ近くの薬師寺へ。
ここには9体が安置されている。
護法神像は、今日、多くの仏を見た中でも私が一番気に入ったものである。
あとで聞くと、とても有名なものらしい。

ここまでで3時を過ぎた。
私は4時から仕事で会議が入っている。
先ほどの中観音堂のおじさんから、
愛知県江南市で今日まで円空展をやっているという情報を聞いて
彼はどうしても行きたいと言う。
江南市から彼が帰路に使う名古屋空港まではそれほど遠くないので、
近くの駅まで送って、彼一人が江南市へ向かった。

夜7時過ぎ、彼から電話があり、
予定どおり、江南市で展示を見ることができ、
無事、福岡空港に着いたとのこと。
私は会議後の、宴席の最中であった。

今日一日で、レプリカや写真を含めたら、何体の円空仏を目にしただろう。
特徴ある彫り、なんとも表現のしようがない微笑みが、頭から離れない。

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